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「アニメ好きな女子高生」が銀座で“売れっ子ホステス”になるまで。きっかけは「“ギャルの同級生”のからっとした明るさ」

 高級ブティックやお洒落なBarが立ち並ぶ銀座は、伝統と革新が入り交じる成熟した街だ。この街でホステスとして働き、今年44歳になる四海ゆりさん(@4kaiyuri)は、その傍らで結婚相談所を経営する。洗練された大人の女性だが、学生時代の写真にその面影はない。彼女が夜の街で生きる理由とは――。
四海ゆりさん

四海ゆりさん

「変わろう」と思ったきっかけは?

四海ゆりさん

アニメに熱を上げていた学生の頃のゆりさん

――現在のお姿を拝見すると、学生時代の面影がありませんが(笑)。どういうきっかけで「変わろう」と思ったのでしょうか。 ゆり:学生時代の私はアニメに熱をあげていました。高校生になると声優の養成所に通うなど、アニメ関連の仕事に就くことを希望していました。もちろん、今でもアニメは大好きです。ただ、違うところは、当時は身なりに関心がなかったことです。何しろお小遣いは全額アニメに注ぎ込んでいました。目の前にアニメさえあれば幸せだったんですね。  変わったきっかけというか、「見た目は大事なんだな」とわかった瞬間なら覚えています。高校時代、球場でアルバイトをしていて。一緒に働いていた女子大生たちはみんなキラキラしていて、可愛い人たちで……。私に向けられるお客さんの態度と、彼女たちに対するそれが明らかに違うことに気づいたんです(笑)。「きれいな方が幸せだなぁ」とぼんやり考えたのを覚えています。

ギャルの同級生に「メイクしてみない?」と…

――なるほど、それがきっかけでメイクなどに関心が出てくるわけですね。 ゆり:いや、当時はまだそれでエンジンがかかったわけではなく(笑)。本当に「きれいな人は得だなぁ」くらいのぼんやりした感じでした。ただ、メイクに少しだけ関心を持ったのは、高校のクラスメートにメイクをされたときですね。同級生にギャルがたくさんいる学校のなか、私は生徒会に所属するような、見た目通りの真面目キャラでした。  ある日、ギャルの子たちが「メイクしてみない? やってあげるよ」と(笑)。天然パーマなので、アイロンで伸ばしてくれたりして。鏡で対面した自分に、「そんなイケてなくはないかも?」と少しだけ自信が持てたんですよね。ギャルの同級生たちのからっとした明るさが、違う自分を見せてくれました。
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「実家のスナック」で働いてみたものの…
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ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki

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