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広末涼子(43)の復帰計画を阻む“誤算と慢心”「私が大きくした会社なんだから」

自分を守ってくれた事務所に背を向けて…

『WASABI』(パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン)

 それらを尻ぬぐいし、俳優としての広末の致命的なダメージにならないようにしてきたのがフラームだ。たとえば『WASABI』制作発表での号泣を「奇行」などと報じたマスコミを次の会見では排除した。  男性関係のスキャンダラスな記事に関しては訴訟も含めて徹底抗戦を貫いた。井上義久社長が出版社側と掛け合い、記事化を未然に防いだケースもある。芸能事務所としては当たり前のことであるものの、広末は特に手厚く庇護された。だが、独立後の広末は誰も守ってくれない。 「今の広末さんは保証人が消え、担保も失った状態。デビューからずっと井上社長と二人三脚でやってきたのだから。1人になったら、仕事先は心配になる」(大手芸能事務所幹部)

無期限謹慎処分は妥当な処分

 独立自体が不可思議だった。まずフラーム側がダブル不倫発覚後の昨年6月、広末を無期限謹慎処分とした。出演していたキリンビール「本麒麟」のCMが打ち切りを余儀なくされ、同じく日本和装やジーンズのEDWINも広告展開の変更を強いられたのだから、妥当な処分と思われた。  しかし、この処分が広末には不満だったらしい。フラームという組織にも不信感を抱き、週刊誌の取材に対して「信頼はしていない」と発言した。もっとも、無期限謹慎処分は広末が受けるダメージをやわらげようとする戦略だったというのが芸能界の見方だ。 「重い処分を与えたと見せることで、世間の処罰感情を抑えようとしたんですよ。ほかの芸能事務所だったら、契約解除になっても不思議ではなかった。また、無期限謹慎とは便利な代物で、謹慎の期限を定めていないから、風当たりが弱まったと判断した時点で、いつでも活動の再開が可能。それが広末さんには分かっていなかった」(大手芸能事務所幹部)  事実、フラーム側は無期限謹慎処分とした時点で、復帰計画を練り始めていた。広末が退社を申し出た際も同社は慰留した。しかし、本人の考えは変わらなかった。  広末は独立のマイナス面が分かっているのだろうか。まず再び広末が騒動を起こした際、個人では処理が難しい。それだけではない。たとえ俳優に復帰できようが、扱いが今までより悪くなるのは必至だ。 
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「私が大きくした会社なんだから」
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放送コラムニスト/ジャーナリスト 1964年生まれ。スポーツニッポン新聞の文化部専門委員(放送記者クラブ)、「サンデー毎日」編集次長などを経て2019年に独立。放送批評誌「GALAC」前編集委員

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