元人気セクシー女優が選んだセカンドキャリア「性感染症で悩む人たちに正しい情報を届けたい」
性感染症である梅毒の感染者数が急増している。NHKのデータによれば、年間の感染者数は過去10年で12倍に増加し、2023年には現在の統計方法が始まって以来、3年連続で過去最多を記録した。また、淋病やクラミジアといった他の性感染症も増加傾向にあるという。
――前職は大人気のセクシー女優でしたが、現在は性感染症クリニックで働いていらっしゃるんですか?
吉岡ひより(以下、吉岡):はい、新宿にある「新宿ファストクリニック」で広報と営業を担当しています。
――そこに至るまでのお話は後ほどお聞きしますが、まずはセクシー女優になったきっかけを教えてください。
吉岡:私は性格的に、目標を立てるのがすごく好きなんです。当時も目標があって、それを叶えるためにセクシー女優を選びました。
――その目標は達成できましたか?
吉岡:はい、目標は達成できました。
――吉岡さんの現役時代はもちろん性病検査がありましたが、アダルト業界ではいつ頃から性病検査を行うようになったのですか?
吉岡:2016年より前は、性病検査がなかったと言っている女優さんもいれば、それ以前からやっていたと言う方もいます。出演するメーカーによって違っていたのかもしれません。ただ、2016年頃から業界全体で性病検査が行われるようになったのではないかと推測しています。
――いずれにせよ、ここ10年くらいの話ですよね。
吉岡:そうですね。思ったより最近のことですし、私がデビューした時にはもう性病検査は当たり前でした。
――出演時に性病検査を受けることは事前に知っていましたか?
吉岡:いえ、性病検査というもの自体を知らなかったですし、一般的にもあまり知られていなかったと思います。セクシー女優になって初めて「性病検査をするんだ」と知りました。
――一般の人にとっては、性病検査という概念があまり身近ではなかったんですね?
吉岡:そうだと思います。
――実際にセクシー女優になって、性病検査を受けることを知った時はどう思いましたか?
吉岡:仕事の一環という感じで、「ああ、性病検査をするんだな」という程度の気持ちで受けていました。
――アダルト業界の方が行くクリニックもあると聞いていますが、どこにあるんですか?
吉岡:一般の方の検査も受けており専門って感じでもないですが、アダルト業界の検査も受けているクリニックが主に新宿や主要都市にあります。
――具体的にはどんな検査を行うんですか?
吉岡:クラミジア、淋病、梅毒、HIV、B型肝炎、性器の視診など、全部で9項目の検査を受けます。のどの検査はうがいと綿棒での分泌物採取、尿検査、血液検査を行います。
――検査はどのくらいの頻度で受けていたのですか?
吉岡:現役時代は毎月1回受けていました。診断結果はクリニックによって異なりますが、通常は翌日出ます。新宿ファストクリニックでは当日中に結果が出ます。
――検査費用はどうしていたのですか?
吉岡:それは女優が所属している事務所によります。
――現在のアダルト業界でも、毎月の検査は続けられているのですか?
吉岡:はい、今でも続けられています。
――検査で陽性が出た場合、撮影は中止されるのですか?
吉岡:現在はAV新法が施行されており、当日に代役を立てることができないので、撮影は中止になります。
――そのような事例を聞いたことはありますか?
吉岡:私は聞いたことはありません。検査で陽性が出た場合は事前に治療しますので、女優や男優が性感染症を持ち続けているということはまずありません。
――撮影がある時、診断書はどのタイミングで提出するんですか?
吉岡:撮影の契約段階で提出します。その診断書の有効期限は1か月です。
――女優や男優のみなさんが無茶な行動をすることはないと思いますが、例えば検査で陰性だった翌日に性感染症にかかる可能性もありますよね?
吉岡:そうですね。性感染症には潜伏期間もあります。
三並医院長:クリニックの医院長の三並と申します。私から少し補足させていただくと、潜伏期間というのは感染から症状が出るまでの期間のことです。似たものに「ウィンドウ・ピリオド」というのがあって、これは感染してから検査で陽性になるまでの期間のことです。クラミジア、淋菌はウィンドウ・ピリオドは数日以内ですが、梅毒、HIV、B型肝炎は数週間から2か月かかります。
吉岡:なので、「性行為の翌日に検査しても結果がでますか?」と聞かれても、正直なところ分からないんです。
――潜伏期間中に性行為をした場合、感染する可能性はあるんですか?
三並医院長:潜伏期間中にだんだんとウイルスや細菌が体内で増えて検出できるようになるということなので、潜伏期間中も感染の可能性はあることが多いです。症状が出ないことも多いので、潜伏期間だったのか、かかっていないのかは、あとにならないと判断できないんです。
吉岡:最近増加傾向にある梅毒は、徐々に体内でウイルスが増えていくタイプの性感染症です。時間が経つにつれてウイルスが体内で増殖し、体がウイルスだらけになった状態で性行為をすると、感染のリスクが高まります。
――なるほど。とても勉強になります。のちほど性感染症について詳しく聞きますが、話題を少し変えて、セクシー女優のセカンドキャリアについてお聞きします。
――先ほどセクシー女優になったきっかけを伺いましたが、引退を決めた理由は何ですか?
吉岡:自分で立てていた目標を達成できたことが一番大きいですね。また、セクシー女優というのは女性しかできない仕事ですが、性別に関係のない仕事に挑戦したいという新たな目標ができました。そのタイミングで三並先生や他の方々と出会い、次のキャリアを考えるようになりました。
――今、セクシー女優は一種の就職先とも言われていますが、10年以上続けている方は少ないですよね。
吉岡:そうですね。引退後の人生の方が長いですし、10年以上続けている方は本当に稀だと思います。
――セクシー女優というキャリアに限らず、20代後半で転職を考えるのは大変な時代ですが、いきなり新しい道に進むのは難しいですか?
吉岡:その通りです。セクシー女優を辞めた後の人生がどうなるか、みんな考えているとは思います。自分にどんなスキルを付けるのか、経験を積むのか、経歴を作るのか、その点で悩んでいる方は多いと思います。
――現役時代から資格の取得などに取り組んでいましたか?
吉岡:実は宅建(宅地建物取引士)の勉強をしていたのですが、2点足りずに落ちてしまいました。引退後は宅建のスクールに通い、毎日8時間以上勉強していました。
――それはすごいですね! 再チャレンジはされましたか?
吉岡:再チャレンジしようと思ったのですが、ちょうどそのタイミングでクリニックとの縁ができたんです。この仕事が落ち着いたら、また宅建に挑戦しようと思っています。
――吉岡さんのように目標が見つかり、新しい職業に出会える方もいれば、アダルト業界に戻る方もいます。セカンドキャリアを見つけるのはやはり難しいですか?
吉岡:セカンドキャリアを確立するためには、社会や自分に対する目標を持つことが大切だと思います。お金のことばかりを考えると、またアダルト業界に戻る可能性が高くなると思います。
――吉岡さんはセクシー女優になる前から、社会や自分に対する目標を持っていたのですか?
吉岡:はい。私は女性としての仕事ではなく、仮に自分が男性だったとしても活躍できる仕事をしたいと思っていました。現役時代からその思いがあり、いろいろと試行錯誤していました。
そこで、性感染症クリニックで働く元人気セクシー女優の吉岡ひよりさんと、同クリニックの医院長に性感染症を防ぐための予防策について話を聞いた。同時に、吉岡さんにセクシー女優としてのセカンドキャリアについても詳しくお話を伺った。
元セクシー女優・吉岡ひよりのセカンドキャリア
アダルト業界と性感染症の切っても切れない関係
新たな目標「性別に関係のない仕事に挑戦したい」
世界一セクシー女優を取材しているカメラマン、ライター、インタビュアー。元成人誌編集者のため、最後の砦として活躍中。年間イベント取材数300本超え! 年間インタビュー数200本超え! バイクで都内を駆け巡り1日で複数の仕事を受けている。X(旧Twitter):@kagurazakabunji
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【吉岡ひより】
X:@y_hiyori88
【新宿ファストクリニック】
HP:https://www.fast-clinic.com/index.html
X:@shinjuku_fast
【クリニック情報】
・10月1日~オープン予定
・地下鉄丸ノ内線新宿駅徒歩1分
・13:00~16:00/17:00~21:30(21:00最終受付)
・祝日も開院
・原則当日結果通知
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・地下鉄丸ノ内線新宿駅徒歩1分
・13:00~16:00/17:00~21:30(21:00最終受付)
・祝日も開院
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