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Amazon配達員で食いつなぐ25歳アイドルの事情。本業では赤字で「7時から21時近くまで荷物を配送しています」

日本にいる女性アイドルは約1万人。選ばれた者がなる職業も、副業せねば食えぬ時代と言われて久しいが、多様性の広がりで様々な働き方が推奨。地道に働くもの、簡単にエロスを売るもの……。アイドルたちの過酷な副業の実態に迫った! 今回はAmazon配達員をしながら、ステージで夢を届けるアイドルを取材。

滝のように流れる汗をタオルで拭いながら…

アイドル[過酷バイトの実態]

「新卒OLくらいの年収ですが、毎年納税証明書の封を切るのが怖い」と、話すさゆりさん

「大きさや重さにかかわらず、荷物1個当たり200円前後の完全歩合制なんですよ。朝の7時には倉庫に出向いて荷積みをして、21時近くまで荷物を配送しています」 滝のように流れる汗をタオルで拭いながら語るのは、結成2年のアイドルグループの最年長メンバーであるさゆりさん(仮名・25歳)。事務所には所属しているものの基本給はなく、本業の収入はグッズの売り上げのインセンティブのみ。頑張っても月10万円がやっとだという。 「衣装代は基本自腹だから、ここから家賃を払おうとすると、もう赤字。以前、素性を隠して事務のパートをしたこともありましたが、ライブや取材のたびに休んでいたら、『隠し子がいるんじゃない』『闇バイトしているんじゃ』と変な噂を立てられちゃって」

シフトの融通が利き、ひとり黙々と仕事ができる軽荷物配達業

そこで始めたのが前述のAmazonの軽荷物配達業だ。 「シフトの融通が利き、ひとり黙々と仕事ができるのも大きいです。マスクはしてないけど、すっぴんだと別人だから、これまで身バレしたことは一度もないです。ただ、アイドルとしての認知度が低すぎる現実を突きつけられているようでツラいですね(苦笑)」
アイドル[過酷バイトの実態]

アイドルで培った機転で配送をこなしていく

給料は美容に注ぎたいが、その美を放棄しないといけない“特別な時期”があるそう。 「通販サイトのセール時期には、一日の荷物が200個以上になるのはザラ。一日3万円超えですよ。でも、エレベーターがないマンションの上層階まで階段を何往復もするから、常に汗だく。夏だと肌は焼けるし、体の至る所が虫に刺されて痒くてたまらない。可愛くなりたいのに、お金の誘惑に勝つのは難しいですね」 今日も荷物を配達しながら、ステージで夢を届けている。

さゆりさんの給与明細

アイドル活動 活動日数 7~8日/月 給料 5万~10万円/月 副業(Amazon配達員) 労働日数 15~20日/月 給料 20万~30万円/月 <取材・文/週刊SPA!編集部>
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