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横浜市は中華街、崎陽軒etc.地元密着型のフードデリバリーに勝機はあるか

 コロナ禍で急速に伸びるフードデリバリー需要。街を歩けば、配達スタッフが自転車やバイクに乗る姿もごく日常的な光景となった。  Uber Eatsや出前館をはじめ、社会インフラになりつつあるフードデリバリーだが、“地元密着”型で地域に根ざした形で地元飲食店の支援を行う取り組みも出てきている。
木村拓也

スカイファーム株式会社 代表取締役 CEOの木村拓也さん

 今回は、神奈川県横浜市と連携してフードデリバリーサービスを手がけるスカイファーム株式会社代表取締役CEOの木村拓也さんに、地元密着型のフードデリバリーを始めたきっかけや、競合他社との差別化など今後の戦略について話を伺った。

大手企業が入ってこれない領域で勝負したかった

 木村さんが“地元密着”型のデリバリー事業を始めたきっかけは、アメリカやヨーロッパで主流のCSA「Community Supported Agriculture(地域支援型農業)」を知ったことにあるという。 「CSAの原型になっているのが、地域住民による共同購買の仕組みを持つコープ(生活協同組合)と言われています。欧米諸国ではCSAが盛んで、地域に根ざした“ローカルコミュニティ”がしっかりと形成されている。地産地消の食が、その土地に住む地域住民の間でしっかりと循環しているんですね」  木村さんは、全国展開してビジネスを拡大することよりも、「まずは地元に愛され、ローカルコミュニティにしかない魅力を享受できるようなサービスを創る」ことを考えたそうだ。 「地元密着型のデリバリーサービス『NEW PORT』を開始したのは2016年の1月。大手のフードデリバリー企業が入ってこれないニッチな領域で勝負しようと、配達エリアをあえて横浜に絞ったんですよ。また、配達拠点を構えるためには莫大な資金がかかるため、オフィスとしている横浜ランドマークタワーの一室に閉じこもり、小さくビジネスをスタートすることに注力しました」

横浜の高層タワーや商業施設に絞ったデリバリー展開

木村拓也 他社には真似できず、地域に求められるフードデリバリーは何か。そう考えてたどり着いたのが、「法人向けの高層タワー内デリバリー」だった。  高層タワー内で働くサラリーマンがランチを食べる場合、飲食店フロアへ行くか、あるいはオフィスの外へ食べに行くかという選択が一般的だろう。仮にUber Eatsや出前館などのデリバリサービスを利用した際は、注文した人がわざわざ1階まで降りてこないと、注文した商品を受け取れないケースが多いという。 「少数精鋭、小資本でやっている手前、サービス提供範囲も狭めるほかなかったんですね(笑)。ただ、最初に始めた横浜ランドマークタワー内に入る飲食店のデリバリーは、入居する企業の方から好評をもらったので、高層タワーにオフィスを構える法人向けにデリバリーサービスを広げていこうと思いました」  その後は横浜ランドマークタワー以外にも、みなとみらい東急スクエアやJOINUS、MARK IS みなとみらいなど、横浜にある主要な商業施設の飲食店へとサービス対象エリアを拡大させていく。
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地元を知る配達員だからこそ…
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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