仕事

家庭も職場も父親が支配…絶望する20代男性に、取引先社長が放った“救いの言葉”

飲み会で露見した父親の本性

父は『酒がないだろうが! このボンクラが!』と自宅にいるときと同じように、僕に暴言を吐いてしまったのです。父はハッとしましたがもう遅く、社長は残念そうな顔で『やっぱり、いつもそんな感じなんですね』とつぶやきました」  さらに、「あなたは、息子さんの骨の髄までしゃぶり尽くすおつもりですか?」と続ける社長に、父は苦笑い。「言っている意味がわからない。酒癖が悪くてすみません」などと誤魔化そうとしたところ、社長の表情と口調は一気に厳しくなった。 「そして、『わからないことがあって電話をしても、回答するのはいつも息子さん』『いままでに何度か、電話をしたときに保留への切り替えを忘れていたのか、怒鳴り声などのやり取りが聞こえてきて心配していた』と言ったのです。父は戸惑い、真っ赤な顔をしていました」

「住むところも準備するから、僕を信じて」

ブラック企業

※画像はイメージです

 どうしていいかわからなくなったのか、父は「気分が悪いから帰る!」と立席。お金も支払わず店の外に出てしまった父を、すぐに追いかけようとした康介さん。けれどその瞬間、社長が腕を力強く掴んで引き留めた。 「社長は次に、『ウチに来なさい。お父さんのところで働いていてはダメになる。住むところも準備するから、僕を信じてウチで仕事をしてほしい』と言ってくれたのです。そしてその日も、僕が父のもとに帰って責められないようにと、社長が自宅に泊めてくれました」  社長の家庭や職場で数日間過すうち、自分の置かれていた環境の異常さに気づいた康介さん。社長のもとで働くことを決意し、いまはのびのびと働いている。手を差しのべられたとき、冷静な判断で助けを求めることも未来を拓くための大切なキーポントといえるだろう。 <TEXT/山内良子>
フリーライター。ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! 金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意
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