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カラダを売って男に貢ぐ女性たちの胸中とは?18歳のトー横キッズは「今が幸せならいい。将来なんてあるかわからないから」

偽物の愛で満たす関係が売春強要を生み出す

 臨床心理士として30年以上活動し、宿泊型心理支援施設「JECセンター」で、ホストにハマり売春をさせられた女性の支援にも携わる佐藤矢市氏。  佐藤氏は、女性に売春を強要する男たちの生い立ちにも共通点があると話す。 「彼らの多くは本音のぶつかり合いがなく愛情が希薄な家庭で育っており、心の奥底では親に憎しみを抱いています。そうした男性は成長するにつれ支配的・管理的特性を表し、自分の正しさを女性に押し付け思い通りにすることで、得られなかった愛情を埋め合わせようとするのです」  一方、女性も同じく十分な愛情を受けられずに育ったケースが多く、こうした支配性のある男に認められようとする。 「女性は男のプライドを逆撫でしないよう顔色を窺い、最初は程よい関係性を保とうとします。男を不快にさせることへの恐怖から、自分の意見を強く主張するのを避け、男がいくら反社会的な行動をしても、大切な人であると自身を信じ込ませるのです。これは男を父親と置き換える心理によるものです」

本音を発露できるようになることが生き直しの第一歩

 そうした男女が健全さを取り戻す唯一の手段は、「自分が大切にされているという感覚を満たすこと。そのために、円満な家族のように本音を語り合える人間関係を構築すること」であると指摘する。  だが言葉でいうほど簡単ではないため、センターでは女性同士の共同生活やセラピーを通じて自己理解を深め、自身を自由に表現する機会を促しているという。 「自分を大人扱いしなかったり、所有物扱いした親に対する不満や怒りなど、抑圧していた本音に気づくことで生き直すきっかけになります。なぜ売春が悪いの?と言っていた女性も、就職に必要な資格を取って卒業していきました」  心の問題を一朝一夕に解決することは難しいが、せめて売春強要の共依存関係で得る安心感や愛情は偽物であることを知っておくべきだろう。 【心理支援者・佐藤矢市氏】 元臨床心理士(高齢のため資格を返納)。宿泊型心理支援施設JECセンターを創設。「SPA!を見た」と言えば初回相談料無料 取材・文/週刊SPA!編集部
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