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日本一リッチな「飛島村」とは?住民は支援金をたっぷりもらえるのに、人口が増えないワケ

「日本一裕福な自治体」の実情とは?

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貿易の拠点であるコンテナふ頭。業務用のトラックがせわしなく行き来する

飛島村で育ち、現在は村内でカフェを運営する佐藤浩司さん(50歳)に話を聞いた。 「幼い頃は自分の村が特別裕福という意識はありませんでした。工場は多くても、村民にとっての働き口はそれほど多くありません。同級生の半数程度は、成人後に村を出て、別のところで働いています」 村内は大半が市街化調整区域に指定され住宅や商店を建てづらい。村外の人間が新しく事業を始めるにも、難しい状況があるのだという。 「土地を貸す人が増えれば事業の担い手も増えるでしょうけど、そもそも集客が見込みにくい場所ですから、わざわざお店を始めたいという人は少ないかもしれません」 飛島村商工会に勤める早川喜久さんもこう話す。 「若者の数が少ない上、生まれてくる子どもの数がどんどん減っています。’24年の村内での出生件数は転入者を含めても20人程度。村としても定住者が増えるような取り組みを行っていますが、思うように結果が出ていないのが現状です」 税収も支援金も潤沢、ただ使い道が限られている……。「日本一裕福な自治体」の現実をみた取材班だった――。

飛島村で受けられる住民支援(一部)

長寿奉祝金 ・満90歳 20万円 ・満95歳 50万円 ・満100歳 100万円 敬老金 ・満80歳以上84歳以下 5000円 ・満85歳以上 1万円 飛島村奨学金 1人あたり 年間30万円 ※返還の必要なし ※成績と申請者および保護者の村民税所得額に条件あり 結婚祝金支給事業 ・夫婦1組につき 5万円
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