お金

有馬記念が引退レースとなる馬の“注目すべきポイント”。ドウデュース以外に複数頭が該当

スタニングローズもラストラン

有馬記念

今年のエリザベス女王杯を制したスタニングローズも有馬記念がラストラン

 また、前走のエリザベス女王杯で2つ目のG1タイトルを手にしたスタニングローズも、ここがラストラン。  牝馬は過去10年で『3-3-2-33』という成績。2014年のジェンティルドンナ、2019年のリスグラシュー、2020年のクロノジェネシスが勝利を収めています。  ただ、この3頭の前走はジャパンC、コックスプレート(海外)、天皇賞(秋)という牡馬の一線級が集うレースでした。エリザベス女王杯から有馬記念に挑んだ馬は、『0-2-1-23』にとどまっています。馬券に絡んだ3頭は8番人気、11番人気、3番人気だったので、馬券的には人気薄でのヒモ候補、といったところでしょうか。

「空飛ぶダービー馬」もここがラストランか

 正式な発表はありませんが、藤原英昭調教師のBCターフ後の「もう一走、どこかで走らせたい」というコメントを読む限り、シャフリヤールもここが引退レースとなる可能性が高そう。  シャフリヤールはドウデュースより一代前となる2021年のダービー馬。さらに翌年のドバイシーマクラシックも勝利。これは「日本ダービー馬初となる海外G1制覇」という偉業でもありました。  その後は勝ち星から見放されているものの、イギリス、アメリカ、UAEと転戦しながら好勝負を続け、ついた通り名は「空飛ぶダービー馬」。前走のBCターフもスムーズさを欠く場面がありながら3着と、6歳秋を迎えた今も、衰えは感じられません。  ただ、この馬に立ち塞がるのがまさに「6歳以上」というデータ。過去10年、有馬記念で6歳以上の馬は0-0-1-35と大苦戦を強いられているのです。3歳馬が4勝2着3回と活躍していることからも、フレッシュさが求められるレースなのでしょう。  もっとも、6歳以上の延べ36頭中34頭が6番人気以下、28頭が10番人気以下だったことが示す通り、そもそも近況が今ひとつという馬が多かったのも事実。世界レベルでバリバリ活躍しているシャフリヤールは例外かもしれません。  以上、有馬記念がラストランとなる馬たちについて、データを交えてのご紹介でした。買い材料、消し材料など御託を並べましたが、有馬記念というのはドリームレースで「好きな馬を買う」が正解です。なので、私はデビュー前から取材してきたシャフリヤールに夢を託すつもり。  第69回有馬記念は12月22日、15時40分発走です。 文/松山崇
馬券攻略誌『競馬王』の元編集長。現在はフリーの編集者・ライターとして「競馬を一生楽しむ」ためのコンテンツ作りに勤しんでいる。
1
2
勝SPA!
おすすめ記事