お金

来年のダービー馬はデビュー済み? 馬券の達人が選ぶ「来年のクラシック候補トップ3」

近年は夏デビュー組がクラシックで大活躍

競馬

昨年はリバティアイランドが勝利を飾った夏の新潟初日の新馬戦。今年の勝ち馬はダノンキラウェア 
写真/橋本健

 オールドファンにとって、素質馬のデビューといえば秋開催でした。実際に過去には12月19日にデビューしたディープインパクトや12月1日デビューのトウカイテイオーなどがいます。  夏場の暑い時期は北海道で成長に充て、涼しくなった秋頃にデビュー。そしてそのままクラシック前哨戦へという流れが王道と呼ばれるローテーションでした。  しかし、近年はそのトレンドに変化が起きています。特に顕著だったのは現4歳世代で、イクイノックスは8月28日の新潟開催でデビュー。皐月賞馬ジオグリフも6月26日の東京開催で、日本ダービー馬ドウデュースは9月5日の小倉開催でした。また、今年の桜花賞とオークスを制したリバティアイランドも7月30日にデビューしています。  これは育成技術の発達により、以前よりも成長が早まっている事が影響していると考えられます。また、近年のレースは一戦ごとの消耗が激しく、間隔をあけたローテーションが主流。そのため、早めに賞金を加算してゆとりあるローテーションを組めるメリットも早期デビューに拍車をかけているでしょう。  筆者は上がり2ハロンのラップに競走馬のスピード能力が秘められていると考えており、実際に過去のGⅠ勝ち馬の多くは新馬戦で上がり2ハロン22.5秒以下を記録していました。  今回は7月30日デビューまでの馬の中で、上がり2ハロンのタイムから翌年のクラシックで活躍が期待できる有力馬を3頭ピックアップしました。ぜひ参考にしてみてください!

第3位 パワーホール/上がり2ハロン22.3秒

 つい先週の新馬戦を勝利したのが同馬で、上がり2ハロンは22.3秒を記録しました。道中は13秒台が刻まれるような非常にゆったりした流れで、逃げた同馬は展開的にも恵まれた点は否定できません。しかし、前述の上がり2ハロンのタイムからもわかるように、トップスピードは非凡な才能を示しています。  なお、札幌の芝1800m以上で上がり2ハロン22.3秒以下を記録したのはパワーホールが勝利したレース以外では、対象を新馬戦以外まで広げても歴代でわずか5件しかありません。その内バスラットレオンとソーヴァリアントは重賞ウイナーとなっており、パワーホールにも重賞級の資質があると考えられます。  血統的にみると父がジャパンカップ1着、日本ダービー2着のスワーヴリチャード。近親にはフローラSを制したミッドサマーフェアや秋華賞3着などがあるソフトフルートがおり、距離はさらに延びて良さそうです。日本ダービーで注目の存在として今から期待しています。
次のページ
東京マイルの新馬戦を制したあの馬が1位に
1
2
各種メディアで活躍中の競馬予想家。新刊『安井式上がりXハロン攻略法(秀和システム)』が11月15日に発売された。『競走馬の適性を5つに分けて激走を見抜く! 脚質ギアファイブ(ガイドワークス)』『超穴馬の激走を見抜く! 追走力必勝法(秀和システム)』、『安井式ラップキャラ(ベストセラーズ)』など多数の書籍を執筆。
Twitter:@RyotaYasui

安井式上がりXハロン攻略法安井式上がりXハロン攻略法

(秀和システム)


記事一覧へ
勝SPA!
おすすめ記事