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函館のラブホテル社長が語る“ラブホ経営”の難しさ。「2日間部屋が使用できない」困った用途とは

病と偽り、救急車を呼び、お金を払わずに逃げようとするお客

部屋ごとに異なる内装

部屋ごとに異なる内装

 工藤さんが、「ものすごくびっくりした事件」と話すのは数年前の出来事だ。20代後半の男性がホテルに女性と来た。2人は帰り際、「支払うお金がない」と言う。  工藤さんは話し合いをしたが、なおも「お金がないから、払うことができない」と話す。止むを得ず、警察を呼んだ。  すると、女性が「(男性の)体の具合が急に悪くなったから、救急車を呼んでほしい」と言う。工藤さんは、救急車を呼ぶために119番に電話をした。その際、男性の年齢や状況などを119番に伝えたところ、救急車の後をパトカー2台、覆面パトカーが3台ついてきた。  救急隊が男性をタンカで運ぶ時に刑事たちが、「お前、〇〇だろう!ここで何をしているんだ!」と声を出す。男性は目をつぶり、苦しそうにしていたのに飛び起きる。刑事との話し合いのうえ、刑事が救急車に同乗し、男性とともに病院に向かった。

刑務所から出てすぐ犯罪行為に手を染めてしまった男性客

「後日、刑事から聞かされた限りでは、男は病気のふりをして救急車に乗り、うちにお金を払わずに逃げようとしたようです。数日前に刑務所から出たきたばかりで、お金がなかったみたい。  数日間で何かをしてしまったようで、警察が追っていたとのことでした。男性や警察がいなくなった後、残った女性も『お金は払えない』と言います。  女性の了解のうえ、ご自宅に電話をすると女性の母親がここに来て払ってくれました。刑務所に入る前から、この男女は交際をしていたのかもしれませんね」
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ろうそくが床いっぱいに広がった部屋
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ジャーナリスト。1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006年より、フリー。主に企業などの人事や労務、労働問題を中心に取材、執筆。著書に『悶える職場』(光文社)、『封印された震災死』(世界文化社)、『震災死』『あの日、負け組社員になった…』(ダイヤモンド社)など多数
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