元ディーラー営業マンが明かす「なぜか契約が取れてしまった」珍しい事例3選
国内メーカー系ディーラーに4年勤務していた宇野源一と申します。
ビジネスをしていると、一風変わったお客様に出会うことがあるはずですが、自動車という高額商品を取り扱うカーディーラーにおいても同様で、ちょっと特殊な流れでお客様に車を買っていただくということもしばしば。
営業マンとしたらどのような流れでお客様に販売しても1台には変わらないのでありがたいことですが、少々困ることも。この記事では、筆者がディーラー勤務時代に遭遇した珍しい事例の3選をご紹介します。
配属された店舗内でいちばん年が近かったA先輩のお客様のお話。このお客様はいわゆるベンチャー企業の経営者で、イケイケな印象が強いお客様でした。私が入社した直後に新車納車をしていたのが印象的だったのですが、新車納車1ヶ月後にA先輩がそのお客様の会社に「事業を拡大したので車を増やしたいから18時に来て欲しい」とお呼ばれ。
A先輩が到着すると、なぜかオフィスから徒歩数分の距離にある焼肉店へ。新車の話をする前に焼肉をご馳走になり、食後のデザートと言わんばかりに新車を2台ご契約いただきました。ここまでだととても良いお客様、という印象ですが後日談が。
合計3台の新車を購入いただいた会社をA先輩が訪問したところ、オフィスはもぬけの殻。社長に電話をしても携帯電話は解約済み。何かやらかしたのか、それとも事件に巻き込まれたかはわからずじまい、という怪奇的な話でした。
次もA先輩のお客様。投資で財を築いた70歳のダンディな紳士は、いつも愛車をピカピカにして乗っていました。平日のとある日、私がショールーム勤務で待機していたところ、「車をぶつけてしまった」とご来店。担当のA先輩を呼んでくれ、とのことだったので外回り中のA先輩に連絡。
到着するやいなや「修理するのは気分が良くないから、全く同じ車を買いたいんだ」とのこと。傷がついた車を下取りに出し、全く同じ色、同じ仕様、ナンバープレートの数字まで同じ車を購入されました。
あとから聞いた話ですが、このお客様は周りに車をぶつけたと知られたくないようで、同じものにこだわって車を2年間で4台買い替えていたとのこと。A先輩、よく車を買い替えるお客様に好かれやすい星のもとに生まれたのでしょうか……。
①夕食を一緒に食べただけ

②車をぶつけてしまっただけ
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埼玉県在住の兼業ライター。大学卒業後、大手日系自動車ディーラーに就職。その後、金融業界の業務・教育支援を行う会社に転職し、法人営業に従事しながら、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP資格を取得。X(旧Twitter):@gengen801
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