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「風呂に入らない」と公言するアイドルを直撃。風呂キャンセル界隈から支持されるも「シャンプーのCMオファーは永遠に来ない」

「自分をさらけ出すことの大切さ」に気づく

鈴木Mob.

いまでは自然体でいられるようになった

――アイドルなのにお風呂に入らない宣言をするのは、実は勇気が必要だったのではないでしょうか? 鈴木Mob.:当時は自分がアイドルであることなど、まったく気にせずに発言していました。それも『にっぽんワチャチャ』が、自然体の私をまるっと受け入れてくれるグループだからだと思います。 そもそも私は生まれつき、周囲の視線をやたらと気にするネガティブ思考の持ち主なんです。悪目立ちしない予防策のためだけに、学校の成績でトップクラスを維持するような人間でした。 「めちゃくちゃ売れるから」と騙されて(笑)加入したこのグループでも、初めは外面の良さ全開で挑んでいたんですよ。キラキラした姿を見せるのが当たり前だと思っていたので、もしかしたら当時は張り付いたような笑顔をしていたかもしれません。 ――その状態から、どのようにしていまの鈴木さんにつながるのか気になります。 鈴木Mob.:ある日、そんな私の様子を見た事務所の社長から「それは本当のお前ではない」と指摘を受けました。「アイドルなのに自分を出しても良いの?」と、一気に目が覚めた感覚をいまでも覚えています。 それ以降は、アニメオタクで内弁慶で、本当はだらしない。もはやアイドルとはほど遠い自分の素を出してみることにしました。すると「いまのさらけ出してくれる感じが好き」と言ってくれるファンの方がたくさんいて。 つまり私は『にっぽんワチャチャ』に入ったおかげで、ようやく自分の人生を生きていけるようになったんです。「お皿キャンセル」「靴下揃えキャンセル」など、まだまだ出せるものはたくさんありますよ。

武道館公演を本気で目指し「一秒たりとも時間を無駄にできなかった」

鈴木Mob.

一時は廃人のようになっていたという

――『にっぽんワチャチャ』は、2025年3月31日に日本武道館での単独公演が決定しています。これまでの道のりで、大変だったと思うことがあれば教えてください。 鈴木Mob.:結成当初から掲げていた「3年で武道館へ行く」目標を果たせなかったときは、全身の力がすべて抜けてしまう感覚に陥りました。 少数精鋭で戦う『にっぽんワチャチャ』は、動画編集やデザインなど、すべて自分たちでおこなっています。つまりはブラック企業のようなものです。 武道館の切符をつかむためには、一秒たりとも時間を無駄にできませんでした。もはやお風呂の存在すら忘却してしまうほど、グループの活動に全力を注ぐ日々を送っていました。 それでも、目標を達成できないことがわかったとき。人生まるごと否定されたかと思うほどの現実に、私はすっかり廃人のようになってしまいました。 ――約10カ月後、あらためて日本武道館への扉が開きました。 鈴木Mob.:社長やメンバーの頑張りで日本武道館の夢は叶ったものの、素直に喜べない自分がいました。大きな挫折に完全敗北していた私は、夢を見ていた頃とは変わり、満足に活動ができない日々を過ごしていたのが理由です。 「自分の実力でステージに立てるわけではない」そんな考えが頭をグルグルと巡り、どうしても離れてくれませんでした。さらに、いまのままでは武道館の席を埋められない恐怖が後押しし、ストレスが限界を迎えていました。
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復活するにあたってのキーマンは…
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エンタメ好きなフリーライター。クリエイターやアイドルなどのプロモーション取材を手掛ける。ワンドリンク制のライブが好き。
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【鈴木Mob.】 お笑い特化型アイドル『にっぽんワチャチャ』立ち上げメンバー。SNSを中心としたエンタメ性あふれる発信で、度々世間から注目を浴びている。2025年3月31日の日本武道館ワンマンライブにて、グループ卒業を発表。 X:@wachacha_mob YouTube:@mobpi
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