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FIFAランキング「15位の日本」。W杯で強豪との試合を減らすには「さらに上を狙う」必要が。“極めて難しい挑戦”だが目指す価値は十分ある

ポッド1に入る可能性は極めて難しいが…

 日本はこの1年で順位を18位から15位まで上げている。それを踏まえると、ポッド1も狙える可能性はある。だが、今大会は3カ国共催のためいずれも日本より下位のカナダ、メキシコ、アメリカがポッド1の12枠のうち3枠を占める。そのため日本が確実にポッド1に入るためには9位以内に入らなければならず、重要度の落ちる試合が多くなるこの8カ月で上げるにはなかなか難易度が高い。  逆にポッド3に落ちる可能性だが、24位以下とは100ポイント近く離れており、こちらも可能性としては大きくない。たとえば、6月にランキング差異の大きいインドネシア代表に負けたとすると、20ポイント超を失うことになる。こういったランキング差異の大きな相手に負け続けないかぎりは100近くの差は縮まらない。9月からは親善試合試合となり重要度の係数も小さくなるうえ、ランキングでは近い相手と試合をするだろうことを考慮すると、ポッド3に落ちる可能性も極めて少ないといえるだろう。  ポッド1に入る可能性について改めて言及すると、8カ月間でランキングを6つ上げて9位に入ることは極めて難しい。ただ、日本より上位の国がすべて予選を突破して本大会に出場できるとは言い難い。実際に前回大会でいえば、当時9位だったイタリアは予選落ちしている。  現状でいえば、12位のコロンビアは南米予選で6位となっており、1つ順位を落とせばプレーオフに回ることになる危うい状況になっている。このことからも、1つでも順位を上げておけば、ポッド1に入る可能性はあるし、ポッド3に落ちる可能性よりは高いといえる。

日本代表のスタンスは“2通り”

 本大会までの日本代表のスタンスとしては、大きく“2通り”考えられる。すべての試合で勝ちにいき、少しでもFIFAランキングを上げてポッド1に入る可能性を高める。もうひとつは、シード権など気にせず勝敗は二の次にして本大会までの強化だけを推し進める。  おそらく森保監督は両方を同時に進めると個人的には予想しているが、新戦力発掘の質問になると森保監督は「呼びたい選手はたくさんいる」と言い続けており、突破を決めた今後は新しい選手を多く招集するとも考えらる。  いずれにしても、森保監督がどちらのスタンスをとったのかは、次回6月の試合に向けたメンバー発表で判明するはずだ。 <TEXT/川原宏樹 撮影/松岡健三郎>
スポーツライター。日本最大級だったサッカーの有料メディアを有するIT企業で、コンテンツ制作を行いスポーツ業界と関わり始める。そのなかで有名海外クラブとのビジネス立ち上げなどに関わる。その後サッカー専門誌「ストライカーDX」編集部を経て、独立。現在はサッカーを中心にスポーツコンテンツ制作に携わる
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