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ユーロ下落で日本株価反騰の機会消失か

マネーな人々 今週の銭格言
【選者】政治経済学者 植草一秀氏

日本株価反騰開始のシグナルとして、ユーロの反発を指摘。実際、ユーロとともに株価も反転上昇した。ところが、ここに来てギリシャ救済の前提である緊縮経済政策に逆風が吹いている。それが日本の株価下落の再燃に繫がりそうだ。

◆欧州政治の大逆流が始動! ユーロ下落が再び強まり、日本株価反騰の機会消失か

 筆者は以前、ユーロ/円の底入れが’07年7月以来の下落トレンドに終止符を打ち、株価反騰のシグナルになることを指摘した。実際、日経平均株価は’11年11月の8160円から今年3月の1万255円まで急騰。いよいよ、株価下落トレンドからの脱出が進みつつあると判断できた。

 しかし、そこに最近3つの変化が生まれ始めた。第一は米国経済の減速。月次で発表される雇用統計が示す米国経済の回復ペースが鈍り始めたのである。第二は、日本の野田内閣が増税路線まっしぐらの頑なな態度を示していること。そして、第三に欧州政治情勢の急変が挙げられる。

 5月6日に実施されたフランス大統領選の決選投票で現職のサルコジ氏が敗れ、社会党のオランド氏が当選。再選を目指した現職大統領の敗北は実に31年ぶり、社会党の政権獲得は17年ぶりという波乱が起きたのだ。

 また、同じ日に実施されたギリシャ総選挙では与党が大敗して、過半数の議席を失った。緊縮経済政策に反対した急進左派連合が第2党に躍進したのである。しかし、連立協議が難航し、再選挙が実施されることになった。

 さらに、ドイツではメルケル首相が属するドイツキリスト教民主同盟が、国内最大の州選挙で大敗。’13年総選挙での政権交代の可能性が浮上している。

【後編】に続く⇒http://nikkan-spa.jp/217417
ユーロ不和で日経平均の下値抵抗線は7800円

植草一秀【植草一秀氏】
シンクタンク主席エコノミスト、大学教授などを経て、現在はスリーネーションズリサーチ(株)代表取締役。ブログ「植草一秀の『知られざる真実』」も人気。著書に『消費増税亡国論』(飛鳥新社)

消費増税亡国論

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