いつまでも“女子”でいたい、今どきの“大人の女”の心もとなさ
男には未知の世界、女子会。覚悟はしていたが、やはり興味本位で覗くものではなかったよう……。それにしても、女同士が群れるのは昔からだったにもかかわらず、なぜそれが今、女性誌などで特集が組まれるほどになったのか? 電通総研の大屋洋子氏は、それは08年頃からの動きだと話す。
「確かに、日本にはもともと女性同士で集まる習慣がありました。一方、欧米はプロム(高校卒業パーティ。男女ペアで参加)に代表されるようなカップル主義の国。ところが、その欧米でドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ(以下SATC)』が大ブームとなり、”女だけで集まるのがカッコいい”とされたのです。この『SATC』の映画版の日本公開が’08年。その頃から“女同士で集まるのはイケてる”という意識が、日本でもにわかに高まったのでは」
また、「女会」でも「女飲み」でもない、「女子会」というネーミングこそがブームの決定的な火付け役を果たしたという。
「かつて女性には、適齢期になれば“結婚”という居場所が用意されていましたが、もはやそれは確固たるものではなくなりました。また、昔は“女らしくあるべき”という固定概念がありましたが、男女平等が当たり前の今の女性は、そんなことは求められません。そして、ストレスフルな社会の中でラクなほうに流れ、中身が”オス化”しつつある今どきの未婚女性。彼女たちにとって”女子会”は”私はいつまでも女の子でいていいんだ”という新たな居場所になると同時に、“自分が女性であることを再確認する場”になったのです。既婚女性にとっても、”女子会”は自らの女性性を意識できる機会になっているのではないでしょうか」
男同士もつるんで「野郎飲み」をするし、居心地のよさも感じる。しかし、そこに自らの男性としてのアイデンティティを見いだすということはないだろう。わざわざ”女子会”と称してテンション高くエロトークを展開する裏には、今どきの女が抱える”居場所のなさ、心もとなさ”が隠されているのかもしれない。
『CanCam』’10年6月号(左)、『BLENDA』同9月号。読者モデル同士の
女子会が一般女性の憧れを誘い、ブームはますます加速中
【大屋洋子氏】
電通総研スーパーバイザー。
次世代ライフスタイルの分析や未婚男女の消費行動を研究。
著書に『いま20代女性はなぜ40代男性に惹かれるのか』(講談社+α新書)がある
取材・文・撮影/青山由佳
取材・文/加藤カジカ 渡辺恵理 金谷亜美(本誌)
撮影/山川修一(本誌)
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