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実録「夜遊びのウソ」をブッた斬る!!

ウソでもいいからいい気分にしてくれるのが、キャバクラ・プロレスの醍醐味。余談だが、最近の若いキャバ嬢はウソすらついてくれないコが多い気もする(写真はイメージです)

 キャバ嬢の色恋トーク、高級ラベルに張り替えた安酒、不可解な料金設定etc.

 夜遊びの世界に“ウソ”はつきものだが、いちいち目くじらを立ててもいられない。実社会に建前と本音がつきものであるのと同様、夜の社交場でも、ある程度の“ウソ”を許容することなしに、充実の飲みライクを満喫することはできない――と、思わせぶりなキャバ嬢に鼻の下を伸ばして散在した挙げ句、そのコがドロン! 阿佐ヶ谷の大衆酒場で安酒を痛飲しながら「ま~た、ダマされちゃったよぅ」とクダを巻くのが常である記者は思うのである。

 とはいえやはり、「このウソはいかんだろ……」と苦笑してしまうケースも多々ある。本稿では、ここ数年で記者が体験した「個人的にありえん」リスト入りしたお店を、勝手に吊るし上げることにした。「お店的にそのウソ、ホントに必要?」が選考のポイントである。

◆ケース1:カタコトの韓国語(!?)が飛び交う韓流便乗店(12年3月)

 新大久保を訪れる人数が東京タワーの入場数者を超えるほどの韓流ブームの昨今。ご多分に漏れず記者も大久保、中野界隈の韓国スナック、K-POPバーに日参。「お気に入りのコに韓国語を学んで急接近」という遊びをしていたわけだが、「K-POP×ガールズ居酒屋」という、まあ夜遊びの流行の“オイシイとこどり”的なお店を発見したので、韓国好きの友人たちと突入してみることに。

 10坪ほどの店内には少女時代をモチーフにしたような、ミニスカ衣装の女のコたちが3、4人。「カムサハムニダ~」と注文を取りにくるので、早速韓国スナックで覚えた韓国語「チョンペケスムニダ(初めまして)」と返せば、「すみませ~ん、私、日本人なんです」(ボラム・19歳)と平謝りしてくる。聞けばこのお店、総勢10名の女子スタッフの内訳は、日本人が6名、中国人3名、韓国人1名。これには一同、意気消沈したのはいうまでもない。ときおり、思い出したように発せられる、たどたどしい韓国語にもイラッとさせられた。

(一人当たりの予算 2時間:5000円)

【選考理由】
韓流好きの男が、韓流系飲み屋に行く最大の理由は、「韓国娘とコミュニケーションを取りたい」からにほかならない。韓流に無関心の客はそもそも近寄らないし、狙いのK-POP好きからも反感を買うばかりのこのお店。そのウソ、ホントに必要?

◆ケース2:日本人であることを“強調しすぎる”スナック嬢(11年11月)

 記者の主戦場は中野の沿線スナックであるが、「たまには新規開拓を!」と訪れたのが呼び込みが集う雑居ビル2階にある「S」というスナック。カウンター8席、奥にボックス席が一つという、比較的小規模な同店。カウンター内には、中国人ママとアルバイトレディの女のコの二人がいた。常連客と談笑するママを横目に、スナック嬢S美(24歳)との語らいが始まった。

 元女子アナの内田恭子を数倍地味にした顔立ちのS美の胸には「茨城県出身・24歳」というワッペンが貼り付けてある。最初に異変に気づいたのはS美の言葉遣い。「あら、そうでしたの?」、「ええ、残念でしたわ」と、昭和初期のご婦人のようにお上品な言葉遣いなのである。

記者「茨城出身って書いてあるけど、茨城のどこなの?」

S美「私が住んでいたのは大洗です。名物は○○で、○○にして食べると美味しいですのよ~(中略)~夏には海水浴、フェリーを利用する乗客で、大勢の観光客が訪れるんですよ」

 まるでウィキペディアを丸暗記したようにペラペラとまくしたてるので、不自然さを感じ、「10年前にどんなドラマ観てた?」「倖田來未の曲で好きなのは?」と質問を変えると、急にドモりだす始末。追及するのが楽しくなり、「え? 本当は中国の方でしょ?」と聞くと、プイッと横を向き「それだけは、絶対にありえませんわ」とふてくされてしまった。

(一人あたりの予算 1時間30分:9500円)

【選考理由】
下準備に茨城エピソードを盛り込んだり、「そこまで執拗に偽装工作をする理由って何?」に興味が移ってしまった。別にスナックに中国小姐がいても何も問題はないわけだし……。そのウソ、ホントに必要?

◆ケース3:ひたすらカネを吐き出される“奴隷”ゲーム店(10年3月)

 歌舞伎町に“王様ゲームキャバクラ”なる新形態が初めて出来たのは07年くらいだったと記憶している。セクキャバではなかったので“何でもアリ”というわけではなかったが、ポッキーゲームに代表される寸止め系のエロ遊びやどんな質問にも答えるエロトークなど、遊び方のアレンジは幅広く、おおいに盛り上がったものである。そして次に訪れた3年後、変わらぬ場所に同店はあったが、ルールが一つ変更されていた。それは、偶数番が女のコ、奇数番が男とくじ引きが分けられ、王様くじは偶数番のくじに混ざっている。これはつまり、“客は王様になれない”ということ。そして、そのルール改正は深刻な悪影響をもたらした。たとえば、どんなお題が女のコの口から上がるのかというと……。

王様「3番と5番がテキーラ一気」(テキーラ一杯1000円×2 2000円の出費)
王様「1番が女のコ全員にカクテルをおごる」(4000円の出費)

 などなど、ひたすらカネを吸い上げるお題が続く。調子に乗った女が「カクテルは飲み飽きたから、シャンパン! ロゼでいいよ(1万5000円)」というので、「そんなカネないない」と拒絶。すると、席についたキャスト全員が、この日一番のハイテンションで、「王様の命令は~~ぜったい!」と拳を振り上げる。「ぜったい!」じゃないって~の(怒)

(一人あたりの予算 1時間:2万円)

【選考理由】
このルール改正を考えた人は『カイジ』の読みすぎでしょうか。ゲームを介して合法的に(!?)カネを落とさせる悪知恵はたいしたものだけど、ドリンクはフツーにねだってほしい。そのウソ、ホントに必要? ※記者が訪れた3か月後に閉店したので、裏カジノにありがちな、閉店前の回収期だったのかもしれないが……。

夜遊び

学生時代の合コン気分で女のコとワイワイやりたいだけだったのに……あまりに非道なシステムである(写真はイメージです)

 夜遊び取材を続けて3年。夜遊びのウソにまつわるトホホ話は多いが、客に夢を見させるウソならいいけど、店の存在意味を疑われるようなウソはいかがなものかと記者は思うのである。 <取材・文/スギナミ>




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