「これが南米美女の全裸か。美しい。美しすぎる!」――46歳のバツイチおじさんは羨ましすぎる体験をした〈第35話〉
突然、嫁さんにフラれて独身になったTVディレクター。御年、46歳。英語もロクにしゃべれない彼が選んだ道は、新たな花嫁を探す世界一周旅行だった――。当サイトにて、2015年から約4年にわたり人気連載として大いに注目を集めた「英語力ゼロのバツいちおじさんが挑む世界一周花嫁探しの旅」がこの度、単行本化される。本連載では描き切れなかった結末まで、余すことなく一冊にまとめたという。その偉業を祝し、連載第1回目からの全文再配信を決定。第1回からプレイバックする!
* * *
46歳のバツイチおじさんによるノンフィクション巨編「世界一周花嫁探しの旅」、今回の滞在地も7か国目インドです。前回、チリ人美女ガルシアとムーディーなデートをするも、またもやタコダンスの使い手が現れ、恋の行く手を阻まれそうになったバツイチおじさん。今回、この奇妙すぎる三角関係は、誰も予想だにしない方向へと突き進みます。恋するバツイチおじさんのズンドコ珍道中、南インドで繰り広げられた「ガルシア恋物語」編はいったいどんなエピローグを迎えるのか!?
【第35話 ブルームーンの奇跡】
南インドで最も美しいと噂されるバルカラビーチの夜。ダンスパーティーで出会ったチリ人美女ガルシアといい雰囲気になったが、アメリカ人の長身長髪ヒッピー野郎が現れ、謎のタコダンスを披露。俺は、ジャッキーチェンのカンフーをアレンジした「蛇拳ダンス」でなんとか応戦することに。第1ラウンドではなんとか競り勝つも、第2ラウンドは判定負け。
そして、ガルシアにとってインド最後の夜。いい雰囲気をぶち壊すかのように、タコ野郎がどこからともなくまた現れ、俺に挑発的なタコダンスを繰り出してきた――。タコ vs 蛇 vs ラテン美女。B級映画のような三つ巴対決もいよいよ第3ラウンド、いま運命のゴングが鳴らされた。
カーン![ゴング音]
「またか! 糞タコ野郎め!」
俺はそう吐き捨てると、とりあえずヤツを無視することにした。
すると、タコ野郎は激しくタコダンスを踊りながら近づいてきて、俺とガルシアの間に割って入った。
そして、ガルシアに向かってさらに渾身のタコダンスを踊り始めた。
「この展開……。初めてガルシアと出会った時と同じじゃねーかよ」
ガルシアを見ると、ニコニコと笑っている。
タコ野郎がさらに激しくタコダンスを踊ると、ガルシアはさらに満面の笑みを浮かべた。
やばい、タコ野郎も今日は本気だ!
「やるしこないんだ!」
頭の中に、高校バスケ部監督のあの言葉が浮かんだ。
よし、蛇拳ダンスで対抗するか……。
ガルシアのラストナイトを、こいつに邪魔されてなるものか!
「やるか!」
そう思った瞬間、別の言葉が浮かんできた。
「ねぇ、ごっつ。ガルシアってなんのつもりなの? ごっつよりタコ野郎がいいんだったら、二人で踊ればいいじゃない」
りゅう子だ。俺の本名「後藤隆一郎」の心の中に潜むりゅう子がまたもや現れたのだ。
ちなみに、りゅう子はものスゴくロマンチストだが、ものスゴーく嫉妬深い。
りゅう子「自分を安く売るのやめな。そこまでする必要ないわ」
俺「いっ、いや、やるしこないんだよ」
りゅう子「だから男は何もわかっちゃないのよ。恋愛と部活は別なのよ」
俺「あきらめたらそこで試合終了なんだよ!」
りゅう子「女心わかってないわね。あきらめなかったら、それはストーカーなの!」
そうか。
「あきらめなかったら、それはストーカー!」
それは俺が離婚届けに判子を押す時、俺の背中を押した一言だった。
りゅう子の声が何度もリフレインし、俺の脳裏を高速で駆け巡る。
次の瞬間、俺は蛇拳ダンスを出すのをやめることにした。
そして、ダンスフロアから去り、一人でポツンと椅子に座った。
りゅう子「ガルシアが本当にあなたのことが好きなら、きっとここに来てくれるはず。ごっつ、待つのよ」
俺は少しいじけつつ、冷たいビールを流し込んだ。そして、ダンスフロアを見た。
二人は向かい合って踊り続けている。しかし、タコ野郎のタコダンスの陰に隠れ、ガルシアの表情がよく見えない。
しばらく観察していると、タコ野郎がガルシアの耳元で何かをしゃべりかけているのに気づいた。
きっと口説いてるに違いない。ガルシアの顔を見た。
「嬉しそうな顔をしてる……」

1969年大分県生まれ。明治大学卒業後、IVSテレビ制作(株)のADとして日本テレビ「天才たけしの元気が出るテレビ!」の制作に参加。続いて「ザ!鉄腕!DASH!!」(日本テレビ)の立ち上げメンバーとなり、その後フリーのディレクターとして「ザ!世界仰天ニュース」(日本テレビ)「トリビアの泉」(フジテレビ)をチーフディレクターとして制作。2008年に映像制作会社「株式会社イマジネーション」を創設し、「マツケンサンバⅡ」のブレーン、「学べる!ニュースショー!」(テレビ朝日)「政治家と話そう」(Google)など数々の作品を手掛ける。離婚をきっかけにディレクターを休業し、世界一周に挑戦。その様子を「日刊SPA!」にて連載し人気を博した。現在は、映像制作だけでなく、YouTuber、ラジオ出演など、出演者としても多岐に渡り活動中。Youtubuチャンネル「Enjoy on the Earth 〜地球の遊び方〜」運営中
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