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カツラ使用者「後ろめたさと優越感が交じった複雑な感情を抱いていました」

【薄毛の告白】 後ろめたさと優越感が交じった複雑な感情を抱いていました 元カツラ使用者・Yさん  8年ほど前から約2年間、カツラを着けていたというYさん(51)。「薄毛が気になり始めたのは30歳をすぎた頃。某社の発毛コースに1年ほど通ったあと、別の会社で結毛式の増毛を半年ほど試したのですが、抜け毛は加速。結局、勧められるがままカツラを2個作りました。費用は約150万円です」 さらには同時期、後頭部の自毛を前頭部に移植する手術も実施(約60万円)。何だか涙ぐましい。 「今思うとバカバカしい気もしますが、当時は必死でした。ただ、それだけ手間と費用をかけたのに、初めてカツラを着けたときは、『ついにここまできてしまった』と、ガックリしちゃって。見た目も装着感もしっくりこなかったんですよね」 会社では誰も何も言わなかったが、「しばらくは周囲の戸惑いを強く感じた」とか。 「いつも頭を見られている気がして嫌でしたね。雨が降ればムレるし、風が吹けばズレるんじゃないかと緊張して、とにかく落ち着かないんです。当時は友達にも会わず、同窓会にも行かずで、交友関係を狭めていました。一方で、着けているのを忘れてしまうほどフィットすることがたまにあって、我ながら似合ってるな、と悦に入ったり。猛烈な後ろめたさを感じる半面、時折妙な優越感や自信を覚えたりする。すごく複雑な感情を抱いてましたね」 カツラ生活は、手間と維持費、気疲れが重なって、2年で断念。 「何だか、すべてが面倒になってしまって……。人事異動を機会にカツラを外しました。年も年だし、苦労してまでハゲを隠す必要はない、という心境になったんですよ。髪にはトータルで500万円以上注ぎ込んだけど、振り返ってみると、薄毛を過剰に意識しすぎていたのかな、と痛感しています」
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現在のYさんの頭髪。「今は湿布タイプの育毛剤ロゲインと 飲む育毛剤プロペシアのジェネリック薬を使用しているだけですね」 ― 人はなぜ[すぐバレるヅラ]をかぶるのか?【2】 ―
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