「君は素敵すぎる。これがラテンのノリか!」――46歳のバツイチおじさんはダンスフロアで恋に落ちた【第33話】
46歳のバツイチおじさんによるノンフィクション巨編「世界一周花嫁探しの旅」、今回の滞在地は7か国目インドです。前回、オーストラリア人ジャーナリスト・ケリーと久々にデートを満喫するも、文化の違いから身を引いてしまったバツイチおじさん。しかし、南インドの楽園はすぐさま彼に新たな出会いを授けます。恋するバツイチおじさんのズンドコ珍道中、日本の寒波を吹き飛ばすような灼熱のデッドヒートをお楽しみください
【第33話 起死回生の蛇拳ダンス】
南インドで一番美しいと噂されるバルカラビーチ。ドイツ人美女二人組のキラとマラやオーストラリア人女性でジャーナリストのケリーなど運命的な出会いを果たすが、キラとマラとは英語力があまりにも違いすぎるためうまくコミニュケーションを取ることができなく、飲み会の輪に入れなかった。そして、ケリーとは一度デートをするが、スパゲッティーの食べ方など異文化の壁に阻まれ、こちらもうまくいかなかった。
ここバルカラビーチではたくさんの出会いがあるかもしれない。しかし、外国人女性、特に白人女性とは、英語力の壁や文化の壁、そして自分自身に内在する人種の壁というリアルな問題にぶち当たっていた。
バルカラビーチに滞在して数日が過ぎた。南インドの日中は連日、40度を超える猛暑が続いていた。俺は涼しい早朝にビーチを散歩し、昼過ぎは部屋で涼み、夕方涼しくなるとまた散歩をするという老人のような生活が続きていた。40代中盤を過ぎ、「初老」と言われる年齢に差し掛かっている俺にとっては居心地の良い生活スタイルだが、こんな生活じゃ花嫁候補との出会いなど望むべくもない。
「まずい。このままじゃ“老人と海”だ」
何かを変えなければならなかった。
俺はそう思いながら洗濯を済ませ、ケリーと出会ったコーヒーテンプルで「プーリー」というナンの生地を油で揚げたパンとケララコーヒーで遅めのブランチをとってた。
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その時、足元に何かを感じた。
「…何??」
下を見ると黒い物体がいる。「ヒャっ!」と俺はびっくりして飛び上がった。よく見ると、黒い野犬がやってきて俺の足の甲を枕にして寝ようとしている。
旅に出る前に狂犬病の予防注射を打ってきたが、できることなら噛まれたくはない。ちなみに、狂犬病とは犬に噛まれて24時間以内に病院で注射を打たないと死んでしまうほどの恐ろしい病気だ。
「この犬、俺をなめてるな……。そうか、俺にラオウのような闘気がないからか」
あ! 大事なことを思い出した!
インドに来て野犬に襲われ、共に酒を飲んだインド人に殴られた。
その時、決めたことがある。
体を鍛えて「漢(おとこ)を磨く」、そして「ラオウのような闘気」を手に入れる。
そんな誓いと決意を、素敵すぎる美女たちとの出会いですっかり忘れてしまっていた。
思い立ったが吉日。
俺は急いで宿に戻り、屋上でやっている1日2回の無料ヨガ教室に申し込んだ。
インドと言えばヨガだ。
幼き頃、『レインボーマン』というヒーローもののアニメの主題歌で「♪インドの山奥で~修行して~ダイバダッタの魂やどし~」という歌詞を聞いたのを思い出した。
「山奥じゃないけど、おもいっきり海辺だけど、ヨガの本場インドで修行して漢を磨くぞ!」

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