更新日:2016年04月28日 19:49
カーライフ

佐藤琢磨の優勝報道、正しいのはスポーツ報知だけだった

 日本のモータースポーツの歴史が塗り替えられた。  2010年からインディカーに挑み、参戦52戦目の佐藤琢磨が今季第3戦ロングビーチ(4月21日決勝=日本時間22日早朝)で初優勝。日本人ドライバーがアメリカのトップカテゴリーのレースにチャレンジを始めて苦節24年目して初めて日の丸を掲げた。 佐藤琢磨 これまでは昨年7月第11戦カナダ・エドモントンでの琢磨と2008年に武藤英紀が記録した2位が日本勢過去最高位だった。  琢磨の初優勝は、日ごろモータースポーツに冷たい日本のメディアで思いのほか大きく取り上げられた。一般紙は4月22日夕刊と翌23日朝刊ほぼ全紙に掲載され、スポーツ紙は3紙で1面を飾った。 ⇒『新聞各紙の反応まとめ』はコチラ https://nikkan-spa.jp/441006 「アメリカからのニュースは時差の関係で丸1日遅れの掲載になってしまうので、実はあまり大きく取り上げたくないんです。しかし今回は日本人初の快挙、琢磨のネームバリュー、メディアの中にも琢磨ファンが多いこともあって、一般紙、スポーツ紙で大きく扱われました。それにプロ野球が月曜休みということもあって、火曜の紙面スペースに余裕があったことも幸いしたと思います」(スポーツ紙関係者) 佐藤琢磨 そしてテレビ。NHKと日本テレビがやってくれました。  NHKは22日夜7時と9時のニュースで伝え、琢磨の快挙を全国津々浦々まで届けた。 「NHKは以前から、たとえ民放が放映権を持っていようが、アスリートの世界的快挙は公平に報道する姿勢です。日本テレビは過去インディカーの放映権を持っていたからかもしれません」(テレビ局関係者)  さらにNHKは、5月5日のラジオ第1『日曜あさいちばん』で琢磨のインタビューを約10分間放送した。  琢磨は続く第4戦サンパウロ(5月5日決勝)で、最終ラップの最終コーナーで抜かれて惜しくも連勝を逃がしたが、2位表彰台を獲得。 佐藤琢磨 今、ノリにノッている。  これで開幕4戦すべて完走し、表彰台が2回。ドライバーズランキングでトップに立って、次戦世界最大のイベント、インディ500(5月26日決勝)に挑む。  昨年のインディ500では、2位で迎えた最終ラップ第1ターンで優勝を賭けたオーバーテークの末にスピン。壮絶な散りざまだったが、現在確変中の琢磨は今年もワクワクさせてくれそうだ。  ちなみに、琢磨の表記は「琢」ではなく旧字体が正解である。一連の初優勝報道では『スポーツ報知』だけが正しかった。 ※旧字体はネット環境によって正しく表示できないため本記事では「琢」を使用しました 取材・文/コンコルド足立 撮影/山川健一(本誌) 写真/Honda Honda Racing HPD INDYCAR ― 佐藤琢磨のあっぱれな初勝利!【前編】 ―
F1全戦取材~グランプリ サーカス一座の365日~

当コラムF1企画でおなじみのF1マルチジャーナリスト尾張正博氏の新刊。1993年からF1取材を開始。2002年からは全戦カバー。連続取材数は203戦、通算250戦を超えるベテランがF1ドライバーの素顔とGPの知られざる姿を描く。