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日本の中国研究者は「真実」を書けない【倉山満×上念司対談】Vol.3

6月4日に発行された扶桑社新書『嘘だらけの日中近現代史』が早くも大好評となっている。そこで、著者で憲政史学者の倉山満氏と経済評論家の上念司氏が、日中史のタブーについて激論を交わした!

⇒【前回】『中国の経済はすでに危険水域』http://nikkan-spa.jp/456784

◆東洋史学閥の不自由さが歴史捏造の根本原因

――著書の帯には「日本の中国研究者が書けないタブー」とありますが、なぜタブーが存在するのですか?

倉山満

倉山満氏「中国との腐れ縁はもはやスッパリ切るべき」

倉山:東洋史の学会って、縄張り社会なんですよ。研究者は、自分の好きな領域を研究できず、学会のお偉いさんに「君は宋代の何年から何年まで研究してね」と決められてしまう。

上念:ものすごいトップダウンですね(笑)。

倉山:決められた領域以外を勝手に研究したり、師匠の研究結果に異を唱えようものなら、すぐに学会から追放される。その結果、何十年も前に中国人の大御所学者が中国側の自己弁護として発表した見解が、そのまま脈々と受け継がれるわけです。もともと歴史を勉強しに大学院に行くような連中はオタクばかりなんだから、研究者には親中派も反中派もない。

上念:しかしそうした体質の影響もあって、日本の教科書に南京事件が「大虐殺」として確定事実のように掲載されているから怖いですよね。南京で中国の民間人が犠牲になったのは確かでしょう。日本軍は便衣兵の攻撃に悩まされていたわけですし、日本軍のなかにもならず者はいたはず。でも、何十万人の市民を殺害したというのは常識的に無理がある。というか、便衣兵殲滅のための巻き添えで民間人に死者が出た南京事件より、武装解除されて日本への帰国を待っていた数千人の元日本兵が無残に殺された通化事件のほうがよっぽどひどい。

倉山:南京事件で日本軍を虐殺集団呼ばわりするなら、中国側には検証責任がある。ところが、南京大虐殺の死者数を裏付ける中立的証拠もなければ、日本軍による組織的犯行だったという証拠もない。「うちらもやっていたから、やつらだってその程度のことをやってるだろう」という発想で言っているにすぎない。

上念:こういうことを言うと、僕らのことを嫌中派だとか右翼だという人もいますが、それは違う。例えば街宣右翼の人たちがよく使う大東亜共栄圏なんて言葉は、後付けだと思っていますよ。

倉山:真珠湾攻撃に至ったのは、日本の陸軍と海軍の無能な官僚同士の権力争いのせいですもんね。私なんて、実は親中派と呼ばれる人たちとも仲がいい。村山談話によって設立されたアジア歴史資料センターに3年もいましたからね。

上念:愚かなリーダーといえば、明治、大正、昭和と3時代で外務大臣を務めた、内田康哉という人物がいますね。

倉山:リットン調査団と喧嘩して、日本にかなり有利であった報告書を反日文書扱いしてしまいましたからね。それで帝国議会で「たとえ焦土となっても満洲国は渡さない!」と啖呵を切って、日本は世界中を敵に回すことになった。ほかにも自らの脇の甘さからイギリスの外交官にスパイ活動されたり、あまりに無能すぎて、あだ名が「ゴム人形」でしたからね(笑)。’69年に出版された彼の伝記には、一行として彼を褒め称えている箇所がないですからね。

上念:恥ずかしいから、逆にスパイであってくれたほうがありがたい。

倉山:外務大臣になる以前は駐オーストリア大使だったんですが、彼の手書きの公信を見たことがなく、本当に仕事をしていたかどうかすら怪しい。そんな人物がなぜ、3回も大臣をやれたのかがわかれば、大日本帝国の反省は完了したに等しいでしょう。人あたりだけはよかったらしいですけど。

上念:今で言うと白川方明みたいなもんですかね(笑)。

倉山:現場は優秀でトップは無能というのは帝国陸軍、東京電力しかりで、日本の伝統ですね。

⇒『日中歴史問題は「ノータッチというタッチ」がベスト』に続く http://nikkan-spa.jp/456786

【倉山満】
くらやまみつる。憲政史研究者、希望日本研究所所長。中央大学文学部史学科卒業、同大学院博士前期課程在学中に国士舘大学日本政教研究所非常勤研究員を務め、日本国憲法を教える。著書に『嘘だらけの日中近現代史』(扶桑社刊)など

【上念司】
じょうねんつかさ。経済評論家。中央大学法学部卒業。日本長期信用銀行、臨海セミナー勤務を経て’07年、勝間和代氏と株式会社「監査と分析」を設立。著書に『「アベノミクス亡国論」のウソ』(イースト・プレス刊)など

― [新説]中国の歴史は8行の繰り返しだった!【3】 ―

嘘だらけの日中近現代史

他の中国史研究者が書けなかった日中史のタブーと中国プロパガンダの嘘を気鋭の憲政史学者・倉山満氏が全暴露!




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