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日中歴史問題は「ノータッチというタッチ」がベスト【倉山満×上念司対談】Vol.4

6月4日に発行された扶桑社新書『嘘だらけの日中近現代史』が早くも大好評となっている。そこで、著者で憲政史学者の倉山満氏と経済評論家の上念司氏が、日中史のタブーについて激論を交わした! ⇒【前回】『日本の中国研究者は学閥に縛られて「真実」を書けない』https://nikkan-spa.jp/456785 ――お二人は、中国には何度か行かれているのですか?
倉山 満,上念 司

上念 司氏(左)倉山 満氏

倉山:一度もないです! 空気も悪いし食べ物も汚染されてるし。 上念:私は天安門事件の翌年に1か月ぐらい滞在したことがありますよ。当時は、世界中から総スカンを食らっていたのですごく親日的でした。今じゃ考えられませんが……。中国をかじった人が陥りやすい症状に「上海メガネ」というのがあるんです。中国は広大で多民族国家でもあるにもかかわらず、外国人は上海を全中国だと勘違いする。特に商売している人は表層的なことに目を奪われて、「日本とあまり変わらない」とか発言してしまう。その典型が加藤嘉一さん(笑)。彼曰く、「言論の自由も認められている」らしいですが、じゃあ何故、秘密警察がいたり、「チベット」と検索した途端、ネット接続が遮断されたりするのかと。こう指摘すると、加藤さんは「ぐぬぬ」という表情になっていましたけどね。そうならないためにも倉山氏の新著は必携の一冊でしょう。 ――日中の歴史問題は解決する日がくるのでしょうか? 倉山:そもそも、解決しなければならないというのが勘違い。歴史問題に関しては日本は「ノータッチというタッチ」の姿勢で臨むべきです。これは大正時代の外務大臣、石井菊次郎がとった大陸政策にも見られるもので、国益や国民の権利が危なくなったときにだけ最小限度の介入をして、大規模な軍事展開は行わないという方策です。中国の動向に関する情報収集はして、いざというときに動ける態勢は整えておくけど、直接的な対話はしなくてもいい。 上念:日本経済を復活させて、諸外国から「日本と仲良くすることが国益になる」と思われるようになればいいんです。中国については適度におちょくっていればいい。例えば国際社会で中国のヒューマン・ライツに言及したりね。「南京事件の犠牲者の方々には、心から哀悼の意を表します。ところで、今の中国は人命が尊重されていますか?」というふうに(笑)。そもそも、南京事件について謝罪したら、謝罪要求という中国最大の対日カードが使えなくなり中国は慌てふためく。’95年の村山談話だって、当時の党上層部にとっては迷惑だったという話ですから。 倉山:安倍さんが北京を無視して西安辺りを訪問して、市のトップにやたらペコペコするというのはどうでしょう。習近平のメンツは丸つぶれになりますよ(笑)。  倉山氏の著書によって中国の“嘘”が天下にさらされた今、日中関係を新たな目で刮目していきたい。 【倉山満】 くらやまみつる 憲政史研究者、希望日本研究所所長。中央大学文学部史学科卒業、同大学院博士前期課程在学中に国士舘大学日本政教研究所非常勤研究員を務め、日本国憲法を教える。著書に『嘘だらけの日中近現代史』(扶桑社刊)など 【上念司】 じょうねんつかさ 経済評論家。中央大学法学部卒業。日本長期信用銀行、臨海セミナー勤務を経て’07年、勝間和代氏と株式会社「監査と分析」を設立。著書に『「アベノミクス亡国論」のウソ』(イースト・プレス刊)など 取材・文/奥窪優木 安英玉(本誌) 撮影/石川 徹 ― [新説]中国の歴史は8行の繰り返しだった!【4】 ―
嘘だらけの日中近現代史

他の中国史研究者が書けなかった日中史のタブーと中国プロパガンダの嘘を気鋭の憲政史学者・倉山満氏が全暴露!

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