インド人は全員悪人!? 旅人の定説を検証してみた
私は、これまでアジアを中心に様々な国を旅してきた。海外に行くと初めに覚える言葉が「ありがとう」と「こんにちは」。礼儀作法を大事にする我が日本国で、幼い頃からお母さんに教えこまれたからだ。この言葉と笑顔さえあれば、どんな異国の地だって誰とでも仲良くなれるはず……。しかし、インドという国においては、旅人の間ではこんな言葉が常識となっている。
「インド人は全員悪人!」
事前のネット情報でも、かなりボッタクリが多いから気を付けろといった報告がある。だが、アジアを旅慣れた私なら、そんな現地のインド人たちともきっと仲良くなれるハズだ。もし、狡猾にもこの私をダマそうってんなら、もう2度と悪さできないように証拠写真を撮り、日刊SPA!で“公開指名手配”としてお仕置きしてやる~ってことで、実態調査のために5万円を握りしめ、いざっ、悪人の国インドへ!
とはいえ、ネットやガイドブックに「詐欺」についての注意や被害例もかなり載っているので、それらを読破してからインドに乗り込んだ。むしろ普段はタイ・バンコクに住んでいて旅慣れている自分にとっては、「ダマされる奴がアホやろ(笑)」。もちろん、そんな詐欺師たちを軽快に撒いて、今回は愉快なインド人たちと楽しい時間を満喫するつもりだった。しかし……。
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長いフライトを経て、ようやくインドのオールドデリーに到着。初めて降り立ったインドの第一印象といえば、タイなどのハッピーな東南アジアと比べて、常にドラクエの祠(ほこら)の音楽がかかっているようなドヨ~ンっとした雰囲気。しかも、街の人たちに笑顔が少なく、どこか睨みつけてきているような……。インド人の浅黒い肌に、あのギョロっとした目つきがコレから始まる過酷なバトルを予感させた。
そして、街を歩きはじめて約10分……さっそくドラマが開幕した。オールドデリーを徘徊していると、突如現れた40代と思われるインド人女性。背中に乳飲み子を抱えている。とりあえず、いつも通りに現地語で「こんにちは」と挨拶してみた。
「ナ、ナマステ……!」
しかし彼女は、私の「こんにちは」を無視し、「ミルクを~」と物欲しそうな目で訴えてくる。この違和感はなんだろう。とはいえ、子どもを見たとき、東京にいる甥っ子と姪っ子を思い出した。ミルク代なんてインドの物価だから100円ぐらいかな?と人助けのつもりで「ミルクだけなら!」と快諾したのだが、現実はそう甘くなかった。
おばさんに路地裏の薄暗いマーケットまで連れて行かれミルクを購入……それで、なんとビックリお会計が900ルピー(1ルピー約1.7円で約1500円)。「おいおい、いくらなんでも高すぎだろう!?」と抗議しようと思うが、いつのまにか5人の不良インド人に囲まれており、完全に八方塞がりである。
ドラクエでたとえると、「逃げる」ボタンを押してるのに「しかし、敵に回り込まれてしまった!」という状態。そこで、日本人ならではの新たなコマンドを作ることにした。下手に歯向かってボコられるぐらいなら「お金を払って事なきを得る」。
心のなかでは「ふざけんなっ! テメ~ラ、俺をナメるなよ!」と叫びながらも、900ルピーをそっと手渡してその場を退散したのだった。
【勝手にインド危険情報】
インドのオールドデリーでは女性や子どもを使ったミルク詐欺が横行しているようです。前提として“女性と子どもに悪人はいないだろう”。そんな固定観念があり、私は騙されてしまった。もしこれからインドに渡航される方は気をつけてくださいね。日本と違ってミルク代がすっごく高いです(笑)。
「インド人は全員悪人」なのかガチンコ取材! 果たして仲良くなれるのか?
第1話、赤子を抱えたミルク詐欺おばさん
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