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不満続出! 従業員の手間を増やすだけの労務管理

一般的には「法令遵守」と訳されることの多い「コンプライアンス」。本来は従業員のためでもあるはずが、ともすると本末転倒の事態にも。コンプライアンスに踊らされる職場模様を見ていこう。

◆労務管理

 過剰労働を強いて「ブラック企業」の汚名を着せられれば、企業イメージは最悪。とはいえ、サラリーマンは忙しい。コンプラ遵守のために、「各部署間の就業時間の差は残業を含め1時間以内に!と、毎月1回改善提案書を提出」(36歳・女・流通)、「どんなに仕事がたまっていても、有休は絶対消化。残業もできず、就業時間内は息つく間もない」(32歳・女・機械)というのはどうなのか。

コンプライアンス それぞれの勤務実績の把握は重要だけれど、「(1)データ入力 (2)アポ入れというように、仕事内容ごとに番号がついて、毎日した仕事を、番号から選び表にするルール。誰が何をどれだけの仕事をしたかの把握だというが、見てわからないのか!?」(30歳・女・卸売業)と、やりすぎは不信感の元となる。

「コミュニケーション促進と残業を減らすため、固定席を設けず、その日ごとにコンピュータ抽選で席が決定、必要な作業時間を事前に入力して業務が始まる」(28歳・男・メーカー)というある企業。一見、画期的だが、「結局、仕事は終わらず、再度、抽選して席を移動」と、ひと手間増えただけ。

 また、「ミスの多い工程で『証拠を記憶ではなく記録で』をモットーに作業時の写真撮影を開始。写真では断片的な時間の流れしか追えないと、ついには動画撮影が始まった」(31歳・男・製造)と、『1984年』を髣髴とさせる監視体制の企業も。が、結果はというと、「故意に映像を消す人が出たり。結局、責任を取りたくない上司の保身に使われるだけ」。

 経営側の自己満足的な管理は現場のやる気を削ぐという典型例だ。自由とは「自己を節制しうる賢者なり」という名言もある。もう少し、社員を信用してくれないか?

◆エコ

 どれだけ地球に優しいかも企業の社会責任としては重要。けれど、「ISO遵守のため就業開始時間まで室内の電気はつけない。昼休みもパソコンの電源は切り、電気は消す。電気ポットや冷蔵庫も使用不可。特に雨の日など薄暗いとテンションが下がる。電気ぐらいつけさせて」(35歳・女・公務員)、「東北だけどスーパークールビズを実施。でも6月から軽装OKにされても寒くて無理」(32歳・女・公務員)というように、エコの自己目的化になることもあり。

 極めつきは、「エアコン禁止で、夏場には男性社員は全員海水パンツ一枚になって汗だくで電話営業」(32歳・女・経理)。電気代は節約できるだろう。が、もっと大切な何かを失っていないか?

イラスト/佐藤ワカナ
― 今日も職場はコンプライアンスに大忙し!【3】 ―

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