次世代[C2C]で生活が変わる!?
ヤフーのe-コマース革命をはじめ、個人間商取引に劇的な変化が訪れようとしている。未来を感じさせる変化の一端を紹介する
◆コミュニケーションが変化、専門家や創作者支援も
ヤフーによる「e-コマース革命宣言」をはじめ、C2C(一般消費者間の取引)に熱い注目が集まっている。C2Cといえばネットオークションが思い浮かぶかもしれないが、テクノロジーの進歩やスマホの普及により次世代のフェーズに移行しつつあるという。
消費生活評論家の岩田昭男氏は、「ヤフーなどのネットサービス事業者によるO2O(オンラインからオフライン)攻勢とともに、いま個人間の取引の内容や決済に大きな変化が起きています」(以下同)と注目する。
たとえば、グーグルが開始した『Helpouts』は、専門家からビデオチャットで個人授業が受けられるサービス。受講希望スケジュールを指定し、グーグルウォレットで決済、『Google+』のビデオチャット機能『ハングアウト』を使って利用できる。
「知識の伝授はもちろんですが、双方向で視覚的なコミュニケーションができるので、技術の伝授に向いています。バイオリンの弾き方や、ジェスチャーを利用したコメディ、メイクなどが向いていそうです。専門家にとっては、隙間の時間を活用した稼ぎ口の一つになります」
グーグルが持っているサービスや技術を組み合わせ、強みを活かしたサービスと言えるだろう。
「これは専門家と一般消費者をつなぐサービスですが、『コミュニケーションを変える』というキーワードで、今後もさまざまなサービスが登場しそうです」
その一例が、クリエイターとファンによるコミュニティの質を変える『ニコニコ ユーザーチャンネル』だ。一般ユーザーが月額課金制で収入を得られる仕組みで、これまで一部の著名人やメディアのみが使えた機能を一般ユーザーが使えるようになる。ニコニコ動画で活躍している楽曲やイラストのクリエイター、ダンスや歌のパフォーマーが、今後どのような活動を展開していくのか、有料会員がどこまで伸びるのか注目だ。
このように、C2Cサービスにさまざまなサービスが登場し始めているのだ。
「C2Cと言っても、『売ります・買います』的な市場が大きくなるだけでは面白くない。今まで、売り物にならなかったネット上でのコンテンツやコミュニケーションがしっかりとした市場になることに注目しています」
◆注目C2Cサービスの特徴
【Google Helpouts】
商品:有料Q&A。専門家によるマンツーマンのビデオチャットで問題解決
条件:配信者は、現在グーグルに選ばれた人のみ
特徴:専門家が、写真加工やメイクなどの技術的な問題を、ビデオチャットで解決。ほか、コンサルや園芸のアドバイスなど、知識や経験の伝授も行われる。専門家をカテゴリー別に分類された一覧から選び、公開されているレッスン可能な時間に申し込む仕組み。現在はすでに実績のある専門家が選ばれて掲載されているが、今後はよりニッチな問題を解決できる数多の専門家が登場するかもしれない。なお、返金の仕組みも用意されている
【ニコニコチャンネル】
商品:一般ユーザーによる生放送・動画・テキストなどを有料会員向けに公開
条件:立候補・推薦で選ばれた一部ユーザーのみ。基本はコミュニティ参加者1万人以上
特徴:メディアや一部著名人のみが運営していた月額有料会員制のニコニコチャンネルが、12月9日ついに一般ユーザーに開放。ダンスや歌、演奏、ゲーム実況など1万人以上のコミュニティ参加者数を誇る人気のクリエイターの創作活動を支える。17人という少数のユーザーから開始されたが、2014年中には100チャンネルに拡大される見込み。ファンとクリエイターの持続可能なコミュニティ形成、より魅力的な創作物の登場が期待される
― 次世代[C2C]で生活が変わる!?【1】 ―
岩田昭男氏の著書『ネットからリアルへ O2Oの衝撃』 ネット事業者はいかにリアルで戦っていくのか? ポイントや電子マネーによる消費の変化に迫る |
ハッシュタグ