“支持者・有権者”もハラスメント加害者に 週刊チキーーダ!(飯田泰之&荻上チキ)緊急調査 vol.3

 さらに、今回のアンケートには、「支持者・有権者からのハラスメント」の事例について、多くの回答が寄せられた。 ハラスメント■「女は子育てやってろ!」「育児放棄してまでみっともない。母親失格!」「政治に女は必要ない」「選挙に出て、子どもに対する愛情がない」などとネットで言われる。ストーカーにあう(港区議・やなざわ亜紀・みなと政策クラブ) ■区民の男性に抱きつかれたことがある(文京区議・国府田久美子・共産党) ■当選したとき、地元の町会の会合で元町会長が「私も議員に立とうかと思ったが、女房から『お父さんはもう立たないからダメだ』と言われた」と言って、高笑いをしていました。このようなことはいくらでもあります(豊島区議・山口菊子・社民党) ■有権者から体を触られたり、嫌らしい言葉を言われたことはある(衆議院・菊田真紀子・民主党) ■「若いからわからないだろうけれども……」「女性だから無理だとは思うけれども……」と話の端々に前置きされるのが日常茶飯事である。私自身は、むしろ叱咤激励と捉えて、精進努力を誓っているのであるが、それを側聞された周囲の皆さんは不快な思いをされているようだ(衆議院・上西小百合・日本維新の会) ■有権者から、いろいろ触られる。「寝たら一票いれてやる」「セックスしてないんだろう」など(女性匿名) ■Tシャツが送られてきて、ノーブラの写真を撮っておくってほしいと手紙が入っていた。送り返した。(女性匿名) ■「女みたいな男だな」といった言葉を一般的に使う人がいる(中野区議・来住和行・共産党) ■今回は議員間でのハラスメントが問題化していますが、同世代(30歳前後)女性議員の活動を見聞きする限り、彼女らが日常的に受ける性的ハラスメントは、むしろ支援者や地元地域の業界団体の有力者のような方からのものが多いように見受けられます。他会派・他政党の議員からのセクハラに比べて、このようなケースは政治的理由からより問題化しづらく表にでないのではないかと思います。(中野区議・森たかゆき・民主党) ■有権者からは「早く子供を作れ、もっと生め」など言われることは日常茶飯事。私個人的にはハラスメントとは受け止めていませんが、一般的にはハラスメントと判断される発言は多数受けます。 ■圧力的な発言——「これを解決しなければ支援しない」「そんな質疑をするなら次は落とす」などを言われることは日常的にあります。「住所はわかっているんだから安心して眠れると思うなよ」と言われたことも、無言電話や嫌がらせ電話もあります。これも個人的にはハラスメントとは思っていませんが、一般的にはハラスメントと判断されることもあるかと思います(区議・男性匿名)  アンケート送付段階では、私たちは「議員同士のハラスメント」の実態を探ろうとしていたため、「有権者からのセクハラ」については尋ねなかった。だが、それでもあえて自由回答欄に記入した議員が多かったことからも、同様のケースが常態化しているのではないかと考えられる。  議員も、選挙に通らなければ職を失う。有権者・地元有力者に目をつけられないようにと、ハラスメントを受けても候補者が泣き寝入りするような事例も、少なからず存在しているようだ。議会内だけに留まらない、社会全体の問題もまた、アンケートによって垣間見えてきた。 ⇒【vol.4】「政治活動とセクシュアルマイノリティ差別」へ続く <文/荻上チキ>
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