仕事

「急かされると威圧感を覚える」部下からの“逆ハラスメント”に心を病んでしまった上司の末路

 さまざまな種類のハラスメントが存在する現代。一昔前では想像すらできなかった厳しい世の中になりつつあります。「お客様は神様」という古い思考は、遠い昔の話。今では、あらゆる場面でパワーバランスが変化しつつあります。今回取材に応じた男性も、変化する時代の流れに取り残された一人です。
セクハラ

※画像はイメージです

保守的なサラリーマン人生

 都内にある中堅のインポート・アパレル会社で企画部長を務める江村さん(仮名・52歳)。いわゆる「就職氷河期」に社会人となった一人です。 「就職活動をしていた頃は、バブル崩壊の影響で、多くの企業が採用枠を減らしていたため、就職浪人が出るほどの就職難でした。だから、この会社に就職が決まった時はとても嬉しかったですし、安心したのを覚えています」  長らく営業職で会社に貢献してきた成果が評価され、40代後半で現在の部長職に昇格したといいます。 「バブル期入社の先輩たちは、私たちとは対照的で、派手な部分がありましたね。プロジェクトの立ち上げなんかも、高級ホテルの宴会場を貸し切って展示会を催したり、来賓向けの手土産なんかも採算度外視だったり……。そんな光景を目の当たりにしているせいか、どこか仕事においても保守的になっている自分がいました

部下の進言で一念発起

 あるとき、新入社員から「江村部長、もっとはっきりと指示をいただいたほうが助かります。いつも曖昧な感じがして、判断に困ることがあります」と進言されたそうです。 「正直言って、彼の意見に何も反論できませんでした。たぶん、彼ら『Z世代』に対して、必要以上に慎重な態度を取っていたと思うのです。慎重といえば聞こえが良いのですが、つまり、少し怖がっていたんですね。自分の接し方が、彼らに対してハラスメントにならないよう気を使いすぎて、中途半端な態度になっていたことが原因でした」  これまでは、平和主義的な職場環境を保つことに気を取られていましたが、このことをきっかけに、もう少し威厳を出そうと一念発起し、明確な態度をとるように決意したといいます。
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部下からのハラスメントに悩む日々
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愛犬ベルクちゃんと暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
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