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80~90年代に大流行「カーナンパ」はなぜ廃れたのか?

カーナンパ 次第に街が秋っぽくなってきた昨今。アラフォー世代ならば、ティーンネイジャーだった頃に皮が剥けてきた日焼けあとを眺めて、夏の思い出に浸っていたなんてこともある時期だろう。

 そんな「夏の思い出」として、かつては出会いを求める男女が夜ごとに集う「ナンパの名所」が存在した。しかし、今ナンパをする若者もまだまだいるが「ナンパの名所」的なスポットの話をとんと聞かない。一体なぜなのか?

 80年代から90年代後半にかけて、日本各地のナンパスポットで異様なほど盛り上がっていた車同士の“カーナンパ”。男女それぞれ2~3人のグル―プで動き、ズラリと並んだ女子の車に、男性の車がゆっくり徐行しながら品定めをしていく……。車情報専門誌『ベストカー』(講談社)の本郷仁編集長いわく、「当時は車=男のステイタスで、外見やトーク術などよりも、『とにかく格好良い車に乗っていればモテる』時代。もともとは道が広く、ゼロヨン族がいたところだが、平和な時代が訪れ、車好きの男女が集まるうちに見物客やマスコミが取り上げ、次第にナンパスポットへと変化を遂げていった」という。

 各地に点在するカーナンパスポットの中でも、90年代半ばから終わりにかけて「関東最大のナンパスポット」として最も有名だったのが、千葉県の幕張にある“美浜大橋”(通称、ナンパ橋)。週末になるとナンパ待ちの車が一車線を占拠し、その列は3km以上にも及んだ。そんな出会いの聖地だった美浜大橋も、今ではナンパ待ちの車はゼロ。海と夜景の見えるデートスポットとして人気らしく、どこを見渡しても集まっているのは和気あいあいとした家族連れや、カップルばかりだった……。

 このナンパ橋を筆頭に、都内近郊では80年代から90年代にかけていくつか有名なカーナンパスポットが存在していた。

 横浜の大黒ふ頭や山下公園もその一つで、「大黒ふ頭には走り屋仕様の車が多くて、改造車がバンバン止まっていた。反対にちょっとお洒落な車や、外車などの高級車がメインだったのが山下公園。夕方から明け方にかけて、女のコの車の列をぐるぐる回る光景が名物だった」(44歳・会社員)など、地域のカラーもあり、ナンパする上で車は必要不可欠な時代だったのだ。

 しかしそんなカーナンパスポットも時代とともに変化し、今ではほぼ壊滅状態にある。

「’00年以降路上駐車の取り締まりや道路交通法が厳しくなりナンパ自体ができなくなった」(47歳・自営)、「車に興味を持つ女性が減少した」(49歳・会社員)

 時の流れとともに消えゆく文化。これも定めなのだろうか……。

◆こんなカーナンパの名所がありました……

●美浜大橋
’90年代半ば~’00年
ゼロヨン族や根っからの車好きの若者が中心。90年後半は無法地帯に。今は夜景スポットに。

●横浜山下公園
’80年半ば~’90年代
比較的アメ車や高級車が多く、地元の若者が多く集う浜っ子の聖地。今は夜は静かなもので普通のデートスポットに。

●大宮ソニックシティ
’90年代初期~’95年
ヤンキー(暴走族)率が高く、2対2が中心。北関東からの参戦も多かった。95年には完全に終了。車ナンパは駅前ロータリーへと移転するも、やはり衰退した。

●大黒ふ頭
’80年後半~’00年
車好き&カーミュージックを大音量でかけ、クラブチックに女性を誘っていた。最盛期は週末は大黒ふ頭封鎖にまでなった。今も車好きは集まるがナンパはあまり見かけない。

<取材・文/週刊SPA!編集部>




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