“昼顔廃人”女たちが妄想した究極のエンディング
昼顔~平日午後3時の恋人たち~Another End』も、ドラマとは違うエンディングとなっているので、気になるファンはチェックしてみてはいかがだろうか。 <取材・文/マッキーナ>
平日の昼間に不倫に身をやつす主婦たちの姿を描いて話題を呼んだテレビドラマ『昼顔』。不倫を「罪」としながらも、セックスレスで子供もいないのに夫に「ママ」と呼ばれる紗和(上戸彩)、モラハラ夫に「おまえは顔だけの女」とさげすまれ続ける利佳子(吉瀬美智子)たちが不倫に走らざるを得なかった鬱屈を丁寧に描き、未婚既婚を問わず多くの女性の共感を呼んだ。『昼顔』に夢中になりすぎて、不倫願望に火がついてしまった女性、実際に不倫をはじめてしまった女性、既に足をつっこんでしまっていた自分の不倫と重ねあわせ、夫に隠れてドラマを観ては涙する女性……「昼顔廃人」とでも言うべきディープなファンを生み出した本作だが、ついに先週最終回を迎えた。
しかし、紗和(上戸彩)と北野(斉藤工)、利佳子(吉瀬美智子)と加藤(北村一輝)という不倫カップルの恋を、固唾を飲んで見守ってきたファンたちからすると、結局彼らが結ばれなかったエンディングに落胆の色を隠せないようで……。そんな「昼顔廃人」たちが、脳内で妄想したというエンディングを紹介する。
――――――――――――
●「靴ひも、結べるようになったんだね」
めくるめく恋から3年後の夏――。
紗和(上戸彩)は夫との間に男の子を授かり、平穏に暮らしていた。夫は最近また会社の部下と不倫をしているようだが、家庭を壊すつもりはなさそうなので見て見ぬふりをしている。3年前、結局自分は北野(斉藤工)との恋ではなく、結婚生活を選んだのだ。今さら波風を立てても仕方ないではないか……。
そんななか、利佳子(吉瀬美智子)にそそのかされ、夫には内緒でペンネームで自分の経験をしたためた小説「昼顔」が新設の文学賞を受賞。ツイッター上でじわじわと口コミで広がり、ベストセラーに。そんな紗和のもとに、出版社を通して一通の手紙が届いた。
「靴ひも、自分で結べるようになったんだね」
3年前、靴ひもを結べなかった紗和の靴ひもを北野が結んでくれたことから急速に距離を縮めていった2人。小説のなかに書いた「靴ひもを自分で結べるようになったのです」の一文は、北野への決別の一言のつもりだったのに――。
玄関先で靴ひもをしっかりと結んだ紗和は、北野との思い出の吊り橋へと向かって走り出す。
★実は私も不倫中なんですけど、現実にはお互いの家族のこととか、慰謝料のこととか考えたら、結ばれっこないってわかってる。だから、せめて私の代わりに紗和と北野先生には結ばれてほしくて! 紗和の靴ひもみたいに、もうほどけない二人でいて!(34歳・飲食)
――――――――――――
●「いってきます、ママ」
泥沼の攻防の末、離婚が成立した紗和と北野は、ふたりで新たな結婚生活をスタート。燃えるような恋で結ばれた二人なのだから、幸せな結婚生活を送れると信じていたが……。
あれから3年。あのときのような熱情はもはや二人にはなく、残ったのはただただ茫漠とした日常だった。特異な状態で出会ったときの興奮を恋と勘違いすることを「恋の吊り橋効果」と呼ぶが、二人が逢瀬を重ねたのも吊り橋だったなんて、いま思えば何と皮肉な話だろう。それでも、日常を二人で生きていくしかないのだ。そう決意する紗和だったが……ある朝、その決意はもろくも崩れ去った。
「いってきます、ママ」
北野はそう言って出勤していった。子供がいるわけでもないのに、前の夫にママと言われるのがイヤでイヤで、自分をひとりの女として見てほしいと鬱屈していたときに出会い、恋に落ちたのが北野だった。その北野に、自分はいま「ママ」と呼ばれている……。どこからか消防車のサイレンの音が聞こえる。外から聞こえているのだろうか。それとも女としての自分の内なるSOSなのだろうか。
3年前にパート先で万引きして、結局返せないでいた赤い口紅。化粧台の引き出しの奥から口紅を取り出し、無心で乾いた唇を赤く染める紗和。不敵にほほ笑みながら誰もいない玄関で「いってきます」とひとりごち、ドアを開けるのだった。
★私はバツイチなんですけど、結婚~離婚でわかったことは、「夫が女として見てくれない」という欲求不満は、相手が代われば解消されるものではないということ。結婚したら必ず直面する構造上の問題なんですよ。だから紗和には「女として認められたい」という部分以外で自分を肯定できる要素を見つけて、本当の意味での幸せをつかんでほしくて!(30歳・大学職員)
――――――――――――
のめりこんだドラマほど、自分と重ねあわせてさまざまなストーリーを妄想してしまうもの。発売中のノベライズ版『
『昼顔~平日午後3時の恋人たち~Another End』 あなたの奥さんは大丈夫ですか? |
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ