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福島第一原発で発生する「汚染水」とは何か?【汚染水処理の現在】

10月21日から1号機の建屋カバーの解体に向けた作業を開始した福島第一原発。だが、廃炉に向けた作業は難航。毎日、80億ベクレルの汚染水を垂れ流しているといわれている。どうにもならない汚染水の現状を、SPA!が独占取材!

◆来年3月までに汚染水処理できたとしても問題は山積み

福島第一原発

福島第一原発の構内にずらりと立ち並ぶ汚染水の保管タンク

 巨大なテントの中にタンクが並び、それらを連結する幾何学的な配管。テントを出ると、今度はグレーの巨象のような1000tタンクが林立し、その間を全面マスクと宇宙服のような防護服を着用した人々が行き交う。この世のものとは思えないその光景が展開されているのが東京電力・福島第一原発の構内だ。

 10月16日、東京電力は福島第一原発構内で発生し、世間を不安に陥れている「汚染水」を処理するための新たな設備のいくつかを初めて報道公開した。公開時に会見した同原発の小野明所長は「(これらの新しい装備も駆使して)現在構内に保管している約36万tの汚染水を来年3月末までに処理を完了する」と宣言したが、これで汚染水危機が大幅に減る保証はどこにもないのが現状なのだ。

小野明所長

福島第一原発の小野明所長。来年3月までに汚染水を処理することを目標に掲げている

 そもそも福島第一原発で発生する汚染水とは何か。同原発の1~3号機は東日本大震災の津波による電源喪失により核燃料の冷却が不能になり、原子炉内で溶け落ちてしまったのは周知の事実。この溶け落ちた燃料を冷却するため、今でも原子炉に注水が続けられているが、水素爆発などの影響で原子炉が損傷し、高濃度の放射性物質を含んだ冷却水が炉外に汚染水として漏出している。

 発電用のタービンを格納した建屋の地下で滞留している汚染水は、放置すれば溢れ出して海に流れ込むため、東京電力はこれをくみ上げ、人体への有害度が最も高いΓ線を含むセシウムのみを除去して一部は再度冷却に使用し、β線を発する核物質を含む残った廃液ともいえる第2段目の汚染水を前述の1000tタンクなどで保管している。これには人体に入ると骨に蓄積されて半世紀以上も内部被ばくを起こすストロンチウムなどが含まれ、核燃料冷却が続く限り、増加の一途を辿る。しかも、貯留タンクへの移送時のミスやタンク自体の不良でこの汚染水が漏水したことがあるというありさまだ。

⇒【vol.2】「毎日、80億ベクレルの汚染水を放出するしかない現状」に続く http://nikkan-spa.jp/744088

福島第一原発取材・文/SPA!原発問題取材班 取材協力/村上和巳
― 福島第一原発「汚染水が限界を超えている!」【1】 ―




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