恋愛・結婚

オリエント工業の“ラブドール”が、世界に誇る日本の美術品である理由

’07年の第1回展覧会では男性客が7割だったが、今年は女性客が6割と逆転

 かつての“ダッチワイフ”が、今では“ラブドール”と呼ばれ、そのリアルな造型が話題となっているのは有名な話。シリコンゴム製のきめ細やかな質感、今にも喋り出しそうな表情、男の理想どおりのボディラインは、人形愛好者ならずとも「抱いてみたい」と思わせるクオリティの高さだ。

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「なかでもオリエント工業が作るラブドールは、世界に誇る日本の美術品です」と言うのは、過去に4回ラブドールの展覧会を開催しているヴァニラ画廊の田口葉子氏。

 オリエント工業のラブドールは、実在するモデルからリアルに型取りし、最先端の技術が結集された工業製品である一方、たった一人の造型師がすべての顔を手がけている。「虚と実の『はざま』にある何かを表現したい」(展覧会パンフレットより)と造型師自身が語るように、「ただ人体を正確に再現するのではなく、ユーザーが理想の女性像を投影できる余地や隙をあえて残している」(同氏)のだという。ドールはあくまで器に過ぎず、所有者の思いが込められて初めて魂が宿るのだ。

 最初は単に性欲処理が目的だった購入者も、やがて愛おしさを覚えて“彼女”のために服を揃えたり、ドライブに連れ出したり、高いカメラを買って思い出を残し始めるらしい。「新品と、3か月経ったドールを比べると、明らかに表情が変わって“嫁の顔”になっているんです」というから興味深い。こだわりの背景には、妻に先立たれた男性や、障害を持つ男性にも性の癒しを届けたいとドール生産を始めた、土屋日出夫社長の心意気がある。障害者割引や里帰り制度(処遇に困ったドールを返却できる)など、単なるアダルト製品を超えたホスピタリティと人形愛が、その芸術性を高めているのだ。

人造乙女博覧会 12月22日発売の『週刊SPA!』の年末年始合併号「オレスコ世界遺産」では、和紙や和食、富岡製糸場だけではない、「世界に誇る日本の遺すべき文化遺産」を、杉作J太郎氏×春日太一氏(東映ヤクザ映画)、日本トイレ協会(トイレ)、大山顕氏(団地)、小林しのぶ氏(駅弁)らがその推薦理由を熱く語っている。 <取材・文/週刊SPA!編集部>

【ヴァニラ画廊】
東京都中央区銀座8-10-7東成ビル地下2Fのアートギャラリー。1月10日まで「濱中利信コレクション~エドワード・ゴーリーの世界2~『ゴーリー・ライブラリー』」を開催中

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