仕事

エロ紙芝居師のコロナ禍。ファンのおじさんから「一緒に住む?」と誘われて

 新型コロナウイルスの感染拡大と、それに伴う外出自粛はあらゆる職種へ影響を及ぼしている。多くの人が労働の規模や形態を変えながらなんとか生活をしている状況だ。そんな中、ニッチな職業の人たちは一体どうしているのだろうか。
飯田華子さん

飯田華子さん(2018年取材時)

 全国各地を巡業し、裸の絵や猥雑な言葉が頻出する大人向けの紙芝居、その名も「エロ紙芝居」を披露する飯田華子さんに、近況を聞いてみた。

コロナ禍でエロ紙芝居は…

――コロナウイルスの影響で、現在の活動はどんな状況ですか? 飯田華子さん(以下、飯田):活動という定義にもよると思うんですが、紙芝居を披露することが活動なのだとすれば、それは無理ですよね。
無観客配信

5月15日に行われた無観客配信ライブ

――先日はライブハウスの企画で、無観客のライブ配信もなさったそうですが手応えはありましたか? 飯田:そもそも配信ライブには懐疑的だったんですよ。その場で見てもらうということが大事だと思っていましたので。なので「ライブできなくても配信があるじゃん」ということを言われると。「だったら今までも配信でよかったじゃん」ってことになっちゃいますよね。 ――実際にやってみて不便は? 飯田:紙芝居はカメラの質に左右されるところがあって、絵が反射しちゃうと見えづらいのでライティングに気を配らないといけませんし、かといってあまりに絵に寄ると(描かれた人物の)誰が喋っているのかが伝わらないですね。 ――画質やカット割りが大事になるんですね。 飯田:本当に紙芝居を、ライブ並みに十全に伝えるのだとすればそうですね。でも、今そんなことを言ってても仕方ないので、できないのだったらどうできるかを考えないといけないなとは思いましたね。 ――どうできるかについて、配信の利点を感じたところありますか? 飯田:画面の外にある部分って何してるのかが見てる人にはわからないから、そこに「含み」を持たせた仕掛けはできるなと思いました。 ――見る側の想像力を喚起させるんですね。 飯田:そうそう。画面の外の人と話してるそぶりを見せるとか。あとは、紙芝居では難しいかもしれませんが、コントや一人芝居をするときには、コメント欄と絡んだりしました。 ――なるほど。これまでのライブでも、野次やお客さんの声に反応していたことは? 飯田:紙芝居は音楽の長さも決まってるので、ヤジに反応する隙間もないんですね。でも、野次が来た時のために音楽に余裕を持たせてることもありますね。  大阪の西成でやるときなんかは、あそこは野次飛ばしてナンボみたいなところがあるので、その時はそれ用のものを作って持って行ってました。でも、本当にこっちが伝えたいっていう雰囲気をだすとちゃんと聞いてくれたりするんですよ(笑)

ファンのおっさんから「一緒に住む?」

――最近SNSへのコメントで、ムカついたことがあったとか? 飯田:SNSで「絵や文章の仕事をください」って書いた時に、「選ばなければバイトはありますよ」というような返信が来て。 ――それは腹立ちますね(笑)。 飯田:コメントしてるのはお客さんだから仕方ないんですが。確かに、選んでる場合じゃない現実というのはあるし、その人はそういう状況なのかもしれませんけどね。他には「今は“つくる時期”だと思います」みたいなコメントも来ますね(笑)  あと「◯◯さんという男の子がいるので、一緒に住んではどうですか?」と同居させられそうになって「華子ちゃんさえ良ければ、結婚してやってくだい」ってコメントも来ました。誰だよそれ!って(笑)  あとは、ファンという名の何もしないおっさんから「一緒に住む?」とか来たり(笑)。バカにされてんのかなと(笑) ――こういった時に、人の本性が見えるようなことはありますね。 飯田:実際に人に会わないでいると、生で人と触れ合う現場がなくなったからだと思うんですが、SNSだけが他人と交流するツールの中心になってますよね。そうすると、文脈関係なく反応したい言葉にだけ反応するんだなと思いましたね。会って喋っていればきちんと伝わるものが、途端に伝わらなくなりますね。 ――だからと言って説明しすぎると野暮ったくなりますしね。しかも、それが自分のお客さんだったりすると、伝わらないことがなおさら悲しいですよね。 飯田:今まで(私の)何聞いてたんだよ!っていう(笑)。冗談もイヤミも、思った以上に通じてないんだなと思いました。でももちろんそれだけではなく、仕事のご依頼をくださったり物販を買ってくださった方もいて、助けられたんですけどね。
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これからの野望は?
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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