東大・東工大の入試はAOのほうが難しい!?
―[大学が[AO入試]で狂っている!]―
「“A(アホでも)O(オッケー)入試”と揶揄されるAO入試ですが、東工大に限っては当てはまりません」と語るのは、’09年の東工大AO入試で合格した和田晃一良さん。
「面接はなし、数学の筆記試験のみ。試験は計5時間で4つの問題を解く形式」と体験談を披露。
普通の高校生ではとても太刀打ちできない難問が出るという。
このとき、約600人の受験生に対し合格者は約20人で、倍率は30倍。一般入試よりもAO入試のほうが難関ともいえる。
「東工大のAO入試は、センター試験7科目の得点合計で『第一段階選抜』を行い、一定の学力を持つ生徒を選抜。その合格者の中から『第二段階選抜』を行い、それぞれの学部で必要な能力が突出して高い生徒を選抜しています」(東工大広報部)
’16年度からは東大も学校推薦制によるAO入試を始めるという。東大生の学力低下を懸念する声が高まったが、今年4月1日に発表された要項(予告)を見る限り、非常に厳しい試験のようだ。
法・経・文・理・農学部の募集人員は約10人。教育・教養は5人、医学部医学科は3人。工学部だけ30人程度を予定しているが、極めて狭き門であることは間違いない。センター試験は5~6教科受験が必須で、推薦要件も厳しい。「各校の上位概ね5%以内」(法学部)、「人文社会系諸学に関連する分野において、卓越した能力を有することを示す実績」(文学部)、「非常に優れた語学力(英語力)とそれに伴う豊富な国際経験」(医学部)など。それらの実績や経験を証明する書類も求められる。
それに加え、プレゼンやグループディスカッションを含む面接試験がある。学部によっては外国語による面接や小論文が課されることも。一般の高校生など最初から相手にしていない試験なのだ。
法学部出身の大学教員K氏はこう語る。「また東大はひとり勝ちしようとしている、と感じます。少子化でどの大学も優秀な学生の確保に苦労しているなかで、こんな青田買いをされてはかないません」
― 大学が[AO入試]で狂っている! ―
この特集の前回記事
ハッシュタグ