更新日:2022年10月24日 00:58
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ECファッキンWの“隠し玉”クリス・ジェリコ――フミ斎藤のプロレス読本#115【ECW編エピソード07】

ECファッキンWの“隠し玉”クリス・ジェリコ――フミ斎藤のプロレス読本#115【ECW編エピソード07】

『フミ斎藤のプロレス読本』#115 ECW編エピソード7は「ECファッキンWの“秘密兵器”クリス・ジェリコ」の巻。ポール・ヘイメンは1年がかりで連絡をとりつづけ、ようやくライオン・ハートことクリス・ジェリコをECWアリーナにブッキングした(Photo Credit: Linda Roufa)

 199X年  「クリス・ジェリコって知ってるか?」  ポール・ヘイメンは、どうだ、すげえだろ、エッヘンと胸をはった。かれこれ1年がかりで連絡をとりつづけて、やっとつかまえた“秘密兵器”なのだという。  カナダ・カルガリー出身の25歳で、キャリアは5年。髪はブロンド。カルガリーのレスラーだから、コスチュームはもちろん革のベストとロングタイツ。  ホームリングはいまのところジャパンのインディー系団体。ようするに、WARのリングで闘っているライオン・ハートである。  ECファッキンWが探していたのはロウ・タレントraw talent(才能の原形)。まるっきりのルーキーではなくて、すでに何年かのリング経験を積んでいるプロフェッショナル。  アメリカでの露出はできるだけミニマムで、仕事ができて、グッド・ルッキング。でも、そんなおあつらえ向きのレスラーなんてなかなかいやしない。  ポール・Eは、ジェリコのパブリシティー・フォトをながめてはウキウキしたり、うっとりしたりしていた。  カルガリー・スタイルの最高傑作といえばダイナマイト・キッドと“ヒットマン”ブレット・ハートに決まってる。もちろん、クリス・ベンワーもかなりすごい。  カルガリーから出てくるボーイズはハードワーカーで知られている。みんな、どういうわけかロングタイツに“お星さま”をつけている。  ジェリコはカルガリー・スタイルの正統な継承者のひとりではあるけれど、キッドやヒットマンの直系の弟子というわけではない。中学、高校時代にあこがれたのは、どちらかといえばオーエン・ハート、ベンワーあたりの世代のレスラーたちだった。  ジェリコがプロレスラーになろうと決心したのはオーエンが相手レスラーの背中の上でバック宙をキメたのを目撃した瞬間だった。キッドとベンワーの師弟関係はすいぶんあとになってから知った。  プロレスを習おうと思ったときは、カルガリーの老舗団体“スタンピード・レスリング”はすでに消滅していた。
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リングネームの由来は…
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