更新日:2018年07月28日 11:54
仕事

人は意外と自分のことがわからない。自分の思考のクセに気づく方法

いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第58回 水の中にいる魚 水の中にいる魚は自分が水の中にいることに気づきません。同じように人間は空気の中にいることを意識しません。しかし、そうした当たり前すぎて気づけないもの、意識できないものほど、大きな影響力を持っています。水や空気といった基本環境が生死に直結するように、自分の居場所は人生や未来の展開に直結します。その環境の中でも、最も重要なのが自分の心です。  居場所は階層的になっています。地球に住んでいる、アジアに住んでいる、日本に住んでいる、関東に住んでいる、東京に住んでいる、世田谷区に住んでいる、そして究極的には一人一人が自分の心に住んでいます。そして、その居場所のルールに従って暮らしています。東京だとエスカレーターは左に立ちますが、大阪では右に立ちます。そして、それが自然あるいは当たり前だと思っています。  これは心という居場所についても同じです。たとえば政治なら、右翼思想であれば左翼のことが気に入りませんし、左翼思想であれば右翼のことが気に入りません。双方ともに相手のことを「あいつは左翼だ、右翼だ」とレッテル貼りする割に、「私は右翼だ、左翼だ」とは主張しない点に、政治と人間心理の面白さがあります。私たちは自分の心をなかなか直視しようとせず、それを見つめ直す機会として自己啓発が存在します。

人は意外と自分のことに気づいていない

 心は大きく分けて「思考」と「信念」の二層構造になっています。私たちは「自分のことくらい自分でわかっている、それくらいの分別はある」と考えていますが、これはあくまでも表面的な思考に関してだけです。お金が欲しい、恋人が欲しい、あの人に連絡しないといけない、駅のポスターで見かけた美術展が気になる、といった思考を私たちは一日に六万回から七万回、繰り返しています。  そして、この思考の背景に、自分がこれまでに作り上げてきた信念があります。思考は自分の内にある信念と、自分の外にある環境が結びついた時に生まれます。たとえば「あの人に連絡しないと」という思考は、「社会人として報告、連絡、相談はしっかりすべき」という信念と、「自分と相手は取引関係にある」という環境が結びついて、自然と浮かんできます。つまり思考とは半ば自動的に生まれる結果に過ぎません。 「思考は現実化する」という格言があります。しかし「俺は大金持ちだ、億万長者だ」と思っても、なかなか現実にはなりません。それはそう考えた瞬間に、「そんなわけないだろう。俺はただのしがないサラリーマンだ」と否定する思考が、自分の年収や働きぶりへの自覚から生まれて、「大金持ちだ」という思考を押し流すからです。どんなことでも形になるには、それ相応の時間がかかります。ころころと思考が変わっていたら、本来なら実現するものも実現しません。  このように単に思考を変えようとしても、その瞬間だけで終わってしまいます。テレビで実業家やスポーツ選手のドキュメンタリーを見てモチベーションが高まっても、次の日には昨日と同じように会社に行って終わりです。逆に信念が望ましいものに変われば、その信念が望ましい思考を生み続け、その思考が望ましい結果をもたらします。これが「思考が現実化する」の実際です。  そこで問題になるのが、いかにして自分の信念に気づき、修正していくかです。私たちは思考は自覚できても、その奥にある信念は自覚していません。ただ思考を垂れ流しているだけで、自分のことをわかっているつもりになっているからです。では、どうすれば自分の信念に気づけるようになるのか。そのためにあるのが「気づきのメモ」です。
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「気づきのメモ」とは?
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コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中

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