iPhoneのキャッシュレス決済「Apple Pay」最強説は本当か?
現行のiPhoneには、いずれもNFC機能が搭載されている。これは古い言い方をすれば「おサイフケータイ」だが、iPhoneユーザーのひとりである筆者からすれば、Apple Payは最強のキャッシュレス決済手段である。
キャッシュレス決済サービスの統廃合が進められている。これは運営企業の資本関係から起因するものではなく、要はQRコード決済とNFC搭載スマホのタッチ決済を同じプラットフォームにしようという動きだ。
2019年が「QRコード決済普及の年」と位置づけるなら、2020年は「QRコードとNFCの結婚1年目」と表現するべきか。11月、NTTドコモのQRコード決済サービス『d払い』と電子マネー『iD』が統合された。これにより、『d払い(iD)』というサービスがスタート。Android OSのスマホでd払いの残高を使ったNFC決済が可能になった。
iPhoneではどうか?
d払い(iD)は、iPhoneのOSであるiOSにも順次対応すると発表している。これは即ち、Apple Payでd払いの決済ができるということだ。
ここで、Apple Payの仕組みについて今一度おさらいしよう。
Apple Payとは、言い換えれば「キャッシュレス決済サービスの仲介者」である。Appleとは資本関係のない、いわゆるサードパーティーのキャッシュレス決済ブランドをApple Payと紐付けすることで「万能の決済手段」を目指している。
クレジットカードやデビットカードなども、Apple Payに紐付け可能だ。とある国民的アニメの主婦のように、買い物しようと街まで出かけたあとに家に財布を忘れても、iPhoneさえ持っていれば何とかなる。
iPhoneの場合はApple Pay、Androidの場合はGoogle Pay。とりあえず、このふたつのサービスについて知っておけばスマホのタッチ決済は網羅したようなものである。当記事では、Apple Payに絞って話を進めよう。
iPhoneのプリインストールアプリに『Wallet』というものがある。とりあえず、このアプリを開いてみよう。
こちらは筆者のiPhoneのWalletであるが、今のところはYahooのクレジットカード、Suica、au Walletの3種類を登録している。新しくカードを追加するには、右上の「+」をタップする。今回は筆者の所有する別のクレジットカードを追加してみたいと思う。ちなみに、クレジットカード番号の部分は黒塗りさせていただいたので、あしからず。
10年以上前に大手旅行代理店HISで作ったスカイウォーカーカードというものがあるが、これもApple Payと紐付け可能だ。
カメラの前にカードをかざすと、自動的に番号を認識してくれる。あとは所有者名、有効期限、カードの裏のセキュリティーコードを入力し、規約に同意する。予め登録の電話番号にSMSでメッセージが届くから、そこに記載された認証番号を入力して紐付け完了だ。
スマホ慣れしていれば、ものの5分とかからない作業である。
スカイウォーカーカードの場合は、電子マネーブランド『QUICPay』と連携する。つまり、QUICPay対応店であればApple Pay経由のスカイウォーカーカードの利用ができるということだ。無論、店先にApple Payのロゴを掲げている店でも問題ない。もっとも、最近ではスカイウォーカーカード自体がVISAやMastercardのNFC決済に対応するようになったが、それについてはまた別の機会に解説したいと思う。
以上の仕組みは、クレジットカードと対応店舗の間にApple PayとQUICPayが仲介者として立つというものだ。字面で書くとややこしいが、いざ利用してみると「Apple Pay×QUICPay」は最強の組み合わせだということが実感できる。
iPhoneを持っていて、なおかつクレジットカードや各キャッシュレス決済サービスとの紐付けを済ませていれば、大災害でも発生しない限り現金など必要ない。
2019年も暮れに差しかかった頃から、ようやくQRコード決済サービスとの紐付けの話が本格的に始動した。QRコードとNFC、この両者に同一の電子ウォレットが対応できれば、もはや怖いものはない。<文/澤田真一>ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー』
これは決して、誇張ではない。Apple Payを使いこなせるようになれば、間違いなくライフスタイルが変化する。そしてこの1年以内に、いや半年以内に、キャッシュレス決済後進国として悪評の立っている日本でもApple Payは「生活インフラのひとつ」として盤石の市民権を得るに違いない。ここまで言い切るには、もちろん理由がある。
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