更新日:2023年05月07日 13:50
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ウイスキー通なら一度は行くべき竹鶴政孝が理想を追求した「宮城峡蒸溜所」

「宮城峡」というジャパニーズウイスキーをご存じでしょうか? 竹鶴政孝が北海道の余市蒸溜所の次に作った、宮城峡蒸溜所で作られているシングルモルトウイスキーです。  サントリーの山崎や白州は知っているし、ニッカウヰスキーの余市も飲んだことがある。しかし、「宮城峡」はまだ未体験という人は多いのではないでしょうか。実は、世界的なお酒の品評会である「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)」において、宮城峡のウイスキーは何度も金賞や銀賞を受賞している銘酒なのです。  今年設立50周年を迎え、記念ボトル「シングルモルト宮城峡リミテッドエディション2019」が発売され、筆者も購入しました。今回は、この宮城峡と宮城峡蒸溜所について紹介します。

今年設立50周年を迎え、記念ボトルが発売されました

宮城峡蒸溜所に行くなら日帰りせずに作並温泉に泊まるのが吉

 宮城峡蒸溜所(正式には仙台工場)は、1969年に竣工しました。余市蒸溜所を作った竹鶴政孝は、異なるモルト原酒をブレンドして、さらに味わい深いウイスキーを作りたいという信念を持っていました。そこで選ばれたのが仙台から西へ25kmのところにある峡谷です。広瀬川と新川が近くに流れています。ちなみに、「新川」は「にっかわ」と呼びます。ニッカがここを選んだのは本当に偶然なのでしょうか。  筆者は余市蒸溜所には何度も行っているのですが、宮城峡蒸溜所は未体験でした。「行かねばなるまい」と思い立って先日行ってきました。仙台駅から最寄りの作並駅までは40分ほどですが、1時間に1本しかありません。東京から日帰りでも行けそうですが、仙台でバーホッピングしたときに、地元のバーテンダーから「宮城峡蒸溜所に行くなら作並温泉に泊まれ」とアドバイスを受けたので従いました。  作並温泉は、寛政8年(1796年)に開湯され、歌人の正岡子規、詩人の土井晩翠、吉田茂側近の白洲次郎といった文化人に愛されました。昔は置屋もあり、芸妓文化が華やかだったそうです。いくつか、いい感じのホテルや旅館があり、観光スポットも点在しています。  翌朝、ホテルから宮城峡蒸溜所に向かいました。作並温泉から蒸溜所まではクルマで10分くらいです。タクシーですぐですが、筆者が泊まったホテルは蒸溜所までのバスを出していたので利用しました。

2017年に設立されたビジターセンターではウイスキー作りの行程を見学できます

時間を合わせられるのなら1000円の有料見学がオススメ!

 宮城峡蒸溜所は、基本的にガイド付の見学ツアーに申し込みます。無料見学であれば、9時から30分ごとに15時30分まで開催しています。ウェブページから申し込めますが、9人以下なら、予約なしで行っても当日枠で見学することが可能です。10人以上の場合は、予約が必要です。  時間が合わせられるなら、1000円の有料見学もオススメです。週末の10時もしくは14時からとなっており、完全予約制です。ウェブページから申し込みましょう。  工場見学は60分くらいで終わるのですが、その後試飲ができます。無料見学の場合は10~20分で宮城峡とスーパーニッカ、アップルワインの3種類を試飲できます。有料見学の場合は30分と長く、宮城峡蒸溜所で作られた計5種類のウイスキーを講師の説明を聞きながら楽しめます。  さらに、この日は開催していなかったのですが、「マイブレンドセミナー」というイベントも行っています。月に1~3回、宮城峡の原酒で自分好みのウイスキーをブレンドして、お土産として持ち帰れるセミナーです。時間は140分で価格は1万円。もちろん、完全予約制です。開催日が少ないので、ウェブページで確認しましょう。すでに、2020年12月までの開催日が公開されています。  今回は時間の関係で、無料見学に参加しました。時間になったらビジターセンターで映像を見て簡単な概要を学び、その後敷地内に出ます。  まずは蒸留棟です。ここには、カフェ式連続式蒸留器があります。ブレンドウイスキーを作るためのグレーンウイスキーを蒸留するもので、日本で初めて1963年に設置されました。この時点ですでに旧式だったのですが、現在でも稼働中です。そして、この中は見せてもらえませんでした。アルコール度数の高い原酒を扱っているためと言われましたが、残念です。  その後、仕込み棟で麦芽を糖化させるマッシュタンやもろみを発酵させる発酵槽などを見学。この行程はコンピューター管理されており、制御室は撮影禁止でした。  単式蒸留器の蒸留棟には、ポットスチルが合計8基設置されていました。ここで蒸留されたモルトウイスキーは樽に入れられ、貯蔵庫で長い眠りにつきます。18万㎡の敷地内に、25棟の貯蔵庫があります。

広大な敷地を持つ宮城峡蒸溜所です。電線はすべて地下に埋設されています

カフェ式連続式蒸留器が設置されています。画像はニッカウヰスキーウェブページより

ポットスチルにはしめ縄が付けられていました

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いよいよ試飲に
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お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「リカーライブラリー」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる

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