「絶滅危惧カニ駅弁」が復活!ウニ&アワビが乗った新作も<第55回駅弁大会レポ>
連日大賑わいを見せている「第55回元祖有名駅弁とうまいもの大会」。15日からは大会2週目に入り、一部の実演駅弁は終了し、新たな調整元が入るなど、折込チラシ同様会場はマイナーチェンジの様相を見せている。
そんななか、今回ご紹介するのは、消滅の危機を免れた駅弁だ。
「米田茶店かに寿司」(兵庫県 山陰本線 城崎温泉駅/1100円)、もとは60年前から日本海側の小さな駅「浜坂駅」で売られていた1日1000個は売り上げた人気駅弁だ。しかし、一日の平均乗降車数が260人(2016年)と減少の一途をたどり、駅前で駅弁を販売していた調整元の「米田商店」が2019年1月に駅弁の販売を終了(8月には米田茶店は閉店)、一旦は消滅した駅弁だ。
その後閉店を知った神戸の駅弁大手の「淡路屋」が、その味の引き継ぎを申し出、約2か月の試行錯誤の未、昨年の4月に再販売し現在に至るという。一旦は”幻”となった駅弁が復活、この大会に初登場したのだ。
掛け紙には味わいのあるカニの絵。日本海の荒波に踊る「かに寿司」の墨文字、「浜坂名物」のデザイン感ある文字も実にいい。
パッと蓋をとるとカラフル。カニ身、しいたけ、錦糸卵、そして茹でグリーンピースが波のように盛られている。酢飯は但馬の酢を使用。馴れた感じがして、酸っぱさは突出することなく実にマイルドだ。ご飯は硬めだが甘みがある。紅ズワイガニのカニ身は柔らか、そして甘い。米田茶店がこだわってきた地元・香美町香住区産のベニズワイガニを使用しているそう。つけあわせの奈良漬けと紅生姜がいいアクセント。
店主の高齢化や、鉄道の効率化が叫ばれるなかで、終売する駅弁も多い。味と伝統の継承は駅弁ファンにおいても切実な問題だ。駅弁大会で容易に手に取れることに感謝しながらいただきたい。
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【第55回 元祖有名駅弁と全国うまいもの大会】
1月8日(水)~21(火)
京王百貨店新宿店7階大催場
午前10時~午後8時 ※21(火)は午後6時閉場
https://www.keionet.com/info/shinjuku/ekiben2020/
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