東京五輪開催へ…前哨戦で明らかになった「有観客と無観客の違い」
~第80回~
フモフモ編集長と申します。僕は普段、スポーツ観戦記をつづった「スポーツ見るもの語る者~フモフモコラム」というブログを運営しているスポーツ好きブロガーです。2012年のロンドン五輪の際には『自由すぎるオリンピック観戦術』なる著書を刊行するなど、知っている人は知っている(※知らない人は知らない)存在です。今回は日刊SPA!にお邪魔しまして、新たなスポーツ観戦の旅に出ることにしました。
東京五輪まで約3週間、少しずつ「本当に五輪は開催されるようだ」という気配も漂ってきました。すでにヨーロッパではサッカー欧州選手権が各地で開催され、スタジアムには数万人の人がマスクなしで詰め掛けています。
ワクチン接種が進んだヨーロッパと、これから若い世代への接種が本格化しようという日本とを同列に比較することは難しいですが、「世界が動き出した」という希望を感じられる光景でした。
そんななか、日本でもしばらく動きが止まっていた「国際試合」が再開されています。サッカーではなでしこジャパンが有観客でのウクライナ戦・メキシコ戦を行なったほか、東京五輪を目指す男子U-24日本代表もジャマイカ戦を有観客で開催しました。
そして、バスケットボールでは男女日本代表が6月から7月にかけて有観客での国際試合を行ない、東京五輪本番への強化を進めています。
今回はそのなかの一戦、神奈川県で行なわれたバスケットボール女子日本代表“AKATSUKI FIVE”とポルトガル代表との国際試合「三井不動産カップ2021(神奈川大会)」を観戦してきました。五輪本番へ向けての選手たちの意気込みや、観衆の熱気などを自分の目で確かめていきたいと思います。
収容人数約3000人のアリーナには、市松模様の配置で観衆がおさめられています。当日までチケット販売が行なわれており、一部空席が目立つブロックもありましたので、収容人数の50%に対して6割~7割くらいの入りとして1000人ほどがいたでしょうか。
3000席に1000人と聞くと「スカスカ」の印象にもなりますが、実際はかなりのにぎわいが生まれます。それは無観客とはまったく異なるもので、選手たちのプレーにも大きく影響を及ぼすものでしょう。
観衆はテレビやオンラインでも観戦できますが、選手はその場にいない観衆のことは想像することしかできません。一握りの人数であったとしても、「いる」と「いない」とでは大違いだなと改めて思います。
もちろん感染対策はしっかりと行なわれており、選手との接触等は厳格に禁じられているほか、観衆に対してはチケット券面への氏名・連絡先の記入、手指消毒・検温、場内での飲食の制限が徹底されています。
大型ビジョンや場内アナウンスで繰り返し感染対策が呼び掛けられるほか、運営スタッフによる細やかな注意喚起も行なわれており、安心して観戦できる環境が整っていました。
こうした試合に赴くのはスポーツ好きの方が多いものと思われますが、プロ野球・Jリーグ・Bリーグ・大相撲などプロスポーツを中心に実践されてきたコロナ禍における観戦スタイルが、しっかりと定着しているなと感じます。
東京五輪に向けて再開された「有観客」国際試合
観客も安心して試合に臨める環境
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