スポーツ

東京五輪開催へ…前哨戦で明らかになった「有観客と無観客の違い」

両チームの健闘を称える一体感

 序盤から中盤にかけて大量リードを築く場面もあった日本ですが、後半からポルトガルがオールコートで激しくプレッシャーを掛けてきたことで、やや苦しむ場面も。  都合3戦行なわれたうちの第1戦・第2戦ではスリーポイントシュートをよく決めた三好南穂選手や、第2戦でチーム最多得点を挙げたオコエ桃仁花選手(※兄はプロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスのオコエ瑠偉選手)も第3戦は不発で、終盤にかけてはジワジワと追い上げられる展開となります。  それでも最後は、主力組を長時間起用してポルトガルのプレッシャーを跳ね返すと、一時は7点差まで詰め寄られたところを再度突き放して67-58で勝利。ポルトガル代表を相手に3連勝として、大会を締めくくりました。  観衆も大きな拍手で両チームを讃え、「国際試合」ならではの雰囲気を大いに楽しみました。

ヘッドコーチからポルトガル代表への謝意

 試合後、日本代表のトム・ホーバスヘッドコーチのインタビューでは印象的な場面がありました。
トム・ホーバスヘッドコーチ

自らポルトガル代表への感謝を語り出したトム・ホーバスヘッドコーチ

 ひととおりの戦評などを語ったのち、ホーバスヘッドコーチは最後に一言と自ら語り出し、来日してくれたポルトガル代表に改めての感謝を述べたのです。  それはコロナ禍のなかで分断され、ともすれば「鎖国」を是とするような向きもあるなかで、心温まる行動でした。来てくれてありがとう、迎えてくれてありがとう。スポーツは違う国の人でさえも結びつけるチカラがある、そう思える光景でした。
ポルトガル代表

思いがけない「お礼」に拍手で応じるポルトガル代表の面々

日本代表

勝利した日本代表チームも笑顔でいっぱい

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改めて考える「スポーツのチカラ」の本質」
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