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“上司の確認待ち”が長すぎる。デジタル化に対応できない上司たちに職場がア然

 世の中のあらゆるコト・モノが「デジタル化」し、本当に便利になったと感じる瞬間が増えた。人と人との「非接触」が求められるコロナ禍の事情もそれを後押ししている。かつてないほどの勢いで、身の回りのアナログが姿を消しつつある。  そんななかで、デジタル化に対応できない「デジアナ人間」の上司たちが、現場を混乱させている。

“上司の確認待ち”が長引いていた意外な理由

効率の悪い文書による捺印

※写真はイメージです。以下同(Photo by Adobe Stock)

「通勤なしのリモートワーク、資料はメールやチャット、共有フォルダを使えば数秒でやり取りができる。ハンコレスになり、決裁のために上司を待って残業を強いられることもなくなりました。その一方で、ワケのわからない“面倒なこと”も増えました」  都内の中堅商社勤務・渡辺佳織さん(仮名・30代)が作成したのは、取引先に納品した商品数に関するエクセルファイル。およそ1週間分、その量は膨大ではあるが、エクセルを使えば複雑な計算も簡単。作業はほぼ「ルーティン」だ。  仕上がったファイルを上司とウェブ上で共有、報告をすれば業務は完了……するはずだったが、なぜか“上司の確認待ち”が長引いていた。 「新しく異動してきた上司に、以前と同じようにして報告のエクセルファイルを共有したんですが、いくら待っても『確認した』という返信がありません。それがないと仕事が終わった気がせず、『どうなってます?』とチャットするんですが、『精査中だ』ということで全然OKがもらえない」(渡辺さん、以下同)

エクセルファイルを電卓で計算

 これが一度ではなく何度も続いたため、渡辺さんは同僚に相談。すると、驚愕の事実が発覚した。 「同僚によると、上司は私が打ったエクセルファイルの中身を『チェックする』といって、一つ一つ電卓で確認していたんです。エクセル上で計算できるんです、そう伝えても『絶対に間違いがないと言い切れるか』とスゴまれてしまい、同僚も反論できなかったというんです」  同僚たちは、そんな上司を陰で「デジアナ(デジタルアナログ)」と小馬鹿にしているが、その影響をモロに受けている渡辺さんは笑えない状況が続いている。  そんな「デジアナ」人間は、思いのほか多い。
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上司が作成した“文字が不鮮明なPDF資料”の真相
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新聞、週刊誌、実話誌、テレビなどで経験を積んだ記者。社会問題やニュースの裏側などをネットメディアに寄稿する。

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