更新日:2022年05月20日 19:09
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「4630万円誤振込」ネットカジノで使い切った? カネの流れに違和感あり

10日間で4630万円全額を海外に?

マネロン 山口県阿武町で起きた「4630万円誤振込騒動」。コロナ禍で困窮する463世帯に、1世帯あたり10万円の臨時特別給付金を振り込むはずが、職員のミスにより、全世帯分の金額である4630万円が、一人の男性に振り込まれた一件だ。  誤振込があったのは4月8日。一時は資金の返却に応じたものの、心変わり。「金は別口座に動かし、元に戻せない。罪は償う」と一貫して返還を拒否していた。そして今月18日、男性の弁護士が登場し4630万円はネットカジノで使い切った旨を説明した。同日、山口県警萩署は田口翔容疑者(24歳)を電子計算機使用詐欺容疑で逮捕した。  田口容疑者の弁護士が、誤振込後の銀行口座の出金記録をまとめたものによると、4月8日に残高665円だった田口容疑者の口座に特別給付金の10万円を加えた4640万円が振り込まれ、口座残高は4640万665円に。4月10日〜18日にかけて100万円を超す出金が続き、18日時点での残高は約6万8000円だったという。

カジノ決済代行会社とは何なのか

 出金先はいずれも海外のカジノ決済代行会社というが、そもそもこのカジノ決済会社とは何なのか。海外のネットカジノ事情に詳しいA氏は次のように語る。 「国際送金など、電子決済サービスを行う会社です。通常、ネットカジノは賭博が違法である日本では、銀行、カードから直接入金することができないので、これらカジノ決済会社を挟む必要があります」  田口容疑者の弁護士が公表した出納記録によると、4月10日にカジノ決済会社A社に約125万円を出金したのを皮切りに、11日には同じA社に127万円、131万円、131万円と立て続けに出金しているというが、A氏は疑問を呈す。 「カジノ決済会社はドル建てが基本なので、為替相場を考えて、それぞれ1万ドルずつ入金していると思われますが、カジノ決済会社もロンダリングを防止するため、いきなり日本の銀行から、それほどの大金を送金することは不可能です。田口容疑者が誤振込があった以前からカジノ決済会社に口座を開設していて、期間的にも金額的にもそれなりの取引実績があるという話ならわかるのですが…」
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仮想通貨を経由した可能性
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