更新日:2023年08月30日 17:17
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五輪汚職、特捜の次のターゲットはJOC前会長・竹田恒和氏か。高橋容疑者との「深い関係」も

 ’14年、都知事不在の「空白の48日」に汚職の青写真は完成した。高橋治之元組織委理事はすでに4回逮捕されたが、それは捜査の踏み台にすぎない。特捜の次のターゲットは誰なのか? ジャーナリスト・上杉隆が真相に迫る。

次なるターゲットはJOC前会長の竹田恒和氏?

東京五輪「次の区切りは高橋(治之元五輪組織委理事)の5回目の逮捕。ルート(事件)はパーク24で立てて、ここで2人目の『的』を捕ることになる。『旧』がつくとはいえ相手は皇族出身なので、相当な覚悟をもって臨まないといけない……」  こう語るのは検察内部の情報提供者の一人だ。  当連載は国際ジャーナリズムのルールに従って、原則ソースを明らかにした実名コメントしか使用しない。だが、現在進行中の捜査を妨害しないよう、検察などの捜査関係者のコメントに限っては匿名にする必要がある。  今後、捜査が終わり、情報源の了解が得られた場合は明らかにするつもりだが、どうやら特捜は「森」に到達する前に「竹」林を刈り取る筋書きで捜査を進めているとみて間違いない。この数か月のあいだ取材を進めるなかで、特捜の次なるターゲットがJOC(日本オリンピック委員会)前会長の竹田恒和氏であることがはっきりしてきたからだ。  竹田氏といえば、五輪招致を巡る贈賄容疑でフランス検察当局の捜査対象となり、JOCの会長職を追われた人物だ。今回の五輪汚職で特捜が家宅捜査に踏み切った五輪オフィシャルサポーター企業、駐車場サービス大手パーク24の社外取締役を務めていたが、10月26日に突如辞任している。

なぜ、特捜は竹田氏を狙っているのか?

 なぜ、特捜は竹田氏を狙っているのか? それを語るには少し紙幅が必要だろう。  竹田氏はGHQ占領下の’47年10月に皇籍離脱した旧11宮家の一つ、竹田宮恒徳王の三男として生まれた。そうはいっても、恒徳王が皇族の身分を離れたあとに誕生した竹田氏だけが、5人兄弟姉妹のなかで、唯一「王」の称号を持たない旧皇族になる。  そのため、学び舎は学習院ではなく、幼稚舎から大学まで慶應義塾。いわゆる、生粋の「慶應ボーイ」として育った。当連載の後半で詳述するが、一連の五輪汚職の中心人物として逮捕勾留中の元組織委理事の高橋治之容疑者は、慶應高校時代に竹田氏の次兄・恒治氏と同級で、竹田氏から見ると3学年上の先輩にあたる。
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バッハから「竹田と高橋の関係は大丈夫か?」
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