政治アイドル・町田彩夏「AKB総選挙はCDを買わなければ投票できないけど、本物の選挙はタダです」
「日本では、政治が生活と切り離されて語られることがほとんど……。政治を語ることがタブーの日本を、語ることが日常の日本に変えたいんです」
耳慣れない“政治アイドル”の看板を掲げ、慶應義塾大学法学部で学ぶ傍ら、講談社主催のアイドルオーディション「ミスiD2016」で安藤美冬賞を受賞した町田彩夏は、日本の政治への想いをこう話した。
「待機児童の問題がよく取り上げられているけど、保育園ってもともと生活の延長にあるもの。でも、『待機児童問題』という切り口で社会問題として語られると、多くの人から自分とは関係ないことのように捉えられてしまう……。
だから、もっと政治を語りやすくなるように、政治が私たちの生活に密接していることを知ってほしい。ただ、政治が縁遠いのも事実。ならば、政治とエンターテイメントを掛け合わせれば、政治に関心がない人にも興味を持ってもらえるのでは、と思ったんです」
「ミスiD」は、ビジュアルばかり重視する従前のオーディションとは違い、個性や活動、発信力などを総合的に審査する。だが、応募者4000人中、「政治」をテーマに据えたのは町田ぐらいだったという。それでも町田が自らを「政治アイドル」と名乗るのは、確固とした理由があるからだ。高校2年生のとき、18歳選挙権の実現を目指す若者の団体「Teen’s Rights Movement(TRM)」を立ち上げ、昨年の参院選での投票年齢引き下げに貢献した。また、女性の権利向上を目指す「女子高校生未来会議」を組織し、大学生となった今も活動を支援している。
そんな彼女は、先の米大統領選をどう見たのか。初の女性大統領と目されたヒラリー・クリントンは敗れ、“ガラスの天井”はついに破れなかった……。
「正直、ヒラリーさんに勝ってほしかった。ただ、自分がアメリカ国民だとしたら、トランプさんが勝つほうが面白いなとも思いました。というのは、同じ政治番組でも、著名な政治家や評論家が小難しそうなことを喋る番組より、お笑い芸人と可愛いアイドルが出演しているほうを多くの人が観るじゃないですか。私は日本の政治をもう少し“エンタメ化”したいんですが、その意味では、ヒラリーさんよりもトランプさんのほうが長けていた。
ただ、トランプさんのように過激な発言で世間の耳目を集めるのではなく、ポリティカル・コレクトネスと言われそうですが、いいことを言って社会の注目を集めたい」
トランプが“政治のエンタメ化”に成功したという指摘は、的を射ている。日本の報道では悪と断じられ、批判の対象でしかないトランプから、町田はポジティブな要素を見い出そうとしている。
一方で町田は、「最大規模の反トランプデモ」と日本で報じられたウィメンズ・マーチにも参加していた英・女優エマ・ワトソンを敬愛する。エマは映画『ハリー・ポッター』シリーズでセレブリティの仲間入りを果たし、アイビーリーグの名門・ブラウン大学に進んだ才媛で、女性の権利向上に精力的に取り組んでいる。
歯に衣着せぬ発言から時に物議を醸すが、そんなところも含め、“日本のエマ・ワトソン”を目指す町田のロールモデルなのだ。
「ウィメンズ・マーチは、反トランプの人も参加していたけど、女性の権利向上を訴える、いい意味で緩いアクションでした。世界のどの国でも、女性の権利向上は素晴らしいことのはずなのに、『反トランプ』に書き換えちゃうのはミスリードだし、レッテルを貼るようなもの。
私も政治を語ると、『女のくせに!』『アイドルのくせに!』とよく叩かれるけど、『女性やアイドルは政治を語らないもの』というステレオタイプなイメージの押し付けです。アイドルはニコニコ笑っていて、みんなに元気を与える存在なのに、『お前は何だ!』と批判してくる……。でも、元気の与え方って、ほかにもいろいろ方法があると思うんです。もちろん、それを応援してくれる人もいれば、嫌いという人もいるでしょう。でも、無関心よりはむしろ叩かれたほうがいい。ツイッターが炎上しても、それで私を知ってくれる人もいるでしょうから(笑)」
「悪名は無名に勝る」を21歳の若さで実践するのは、相当な覚悟が要る。町田がそんな姿勢を育んだのは、高校生の頃の忘れがたい経験があったからだろう。
「高校1年生のとき、生徒会長に立候補したら、先生から『女のくせに生意気だ』って言われて……。
生まれて初めて、性差別を感じた瞬間でショックでした。同時に、学校という教育現場でさえこんなことが起きるなら、自分が社会に出たときに性差別はもっと広がっている可能性もあると思って、女性の社会進出に興味を持つようになりました」
町田の高校はもとは男子校で、男子生徒が女子の倍もいた。
「男子校時代が長かったその先生は、女子が生徒会長に立候補することが受け入れ難かったのかもしれません」と慮るが、学校初の女性生徒会長に1年生ながら当選し、生徒会活動に打ち込むようになる。選挙で選ばれた生徒会執行部が、生徒の“民意”を汲み上げ、予算をやり繰りして、よりよい学校生活のために、さまざまな施策を実行する……彼女は政治そのものを原体験していたのだ。
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