“絶対に落とせない選挙区”は維新に軍配。「自民圧勝」のはずが接戦になった理由
4月23日、各地で統一地方選が投開票されました。統一地方選は大規模な選挙になるため、今春は4月9日に実施された前半戦と4月23日の後半戦の2回に分けて実施されました。
統一地方選は地域に根ざした政治課題に向き合う選挙です。国政は自民党一強ムードですが、その構図は必ずしも地方選に当てはまるわけではありません。自民党が苦戦する地域も見られます。
そして、4月23日は衆参5選挙区で補選も実施されました。首相官邸・永田町取材歴15年のフリーランスライター・カメラマンの小川裕夫が衆参5補選の選挙結果について解説します。
4月9日に投開票された統一地方選の前半戦は、各地で知事選や道府県議会議員選挙、そして政令指定都市の市長選・市議選が投開票されました。
大阪や奈良では、維新が圧勝。勢力を大きく拡大しました。一方、名古屋市議会議員選挙では、河村たかし市長が代表を務める地域政党の減税日本が議席を大幅に増やしました。維新は名古屋で議席を減らしています。こうしたところからも、地方選はそれぞれの地域色が浮き彫りになります。
後半戦は、政令指定都市を除いた市長選・市議選、東京23区の区長選・区議選、町村長選・町村議選が実施されました。これらの選挙も同様に、各地域は国政とは別に独自の政治課題を抱えています。
他方で統一地方選の後半戦は、千葉5区・和歌山1区・山口2区・山口4区・参議院大分県選挙区の衆参5選挙区で補選が実施されました。こちらは国政選挙ですので、国政における各政党の勢いを測るバロメーターになるといえるでしょう。
国政選挙で一強状態にある自民党は、5選挙区すべてに勝利するとの予測が事前から流れていました。しかし、投票箱が閉まるまで何が起きるか分からないのが選挙です。事前の情勢が覆されることは決して珍しくありません。今回の補選も、告示日が近づくにつれて自民圧勝に暗雲が漂い始めていました。
実際、5補選で投票が締め切られた20時ちょうどにNHKが当確を打ったのは山口4区の吉田真次候補だけでした。ほかの4補選は当確がなかなか出ず、接戦になっていたことが窺えます。
地域色が浮き彫りになる地方選
自民圧勝かと思われていたが…
フリーランスライター・カメラマン。1977年、静岡市生まれ。行政誌編集者を経てフリーに。首相官邸で実施される首相会見にはフリーランスで唯一のカメラマンとしても参加し、官邸への出入りは10年超。著書に『渋沢栄一と鉄道』(天夢人)などがある Twitter:@ogawahiro
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