ryuchellさん急逝…「SNSで誹謗中傷を繰り返す人」には共通点が
7月12日、タレントのryuchellさんが東京都内の事務所で急逝されたというショッキングなニュースが報じられました。
理由については本稿作成時点(7月13日)で詳細が判明しておらず、慎重に推移を見守る必要がありますが、LGBTQを自認し積極的に情報発信を行ってきたryuchellさんのSNS上には執拗な誹謗中傷コメントが多数寄せられていたことは事実のようです。
芸能人をはじめとする有名人がネットやSNS上で誹謗中傷のターゲットとされる事例が後を絶ちません。
なぜこのような愚行が繰り返されるのでしょうか? これまで数多くの問題投稿と向き合ってきたSNSリスクコンサルタントの筆者(井ノ口樹・いのくちたつき)が、誹謗中傷投稿を繰り返す人の思考の特徴やプラットフォームの対策の現状、そして誹謗中傷を受けた場合の対策などをお伝えします。
まず、誹謗中傷投稿を繰り返す層の特徴として、自分と異なる意見や価値観を持つ者を敵とみなし、その象徴的存在となっている芸能人を格好のターゲットとして徹底的に攻撃する行動指向が挙げられます。
これらは偏った正義感に起因するものにとどまらず、自分が持つ様々な不満の矛先を、大きな影響力を持つ芸能人に向け、あわよくばそのターゲット本人から反応を引き出すことを狙うのです。そして、世間に大きく報道されることで、自分の行動が社会に影響を与えているという優越感に浸り、自分の存在意義を確かめる歪んだ承認欲求がその根底にあります。
彼らは投稿が削除されたりアカウントが凍結されることを最初から想定済みで、誹謗中傷専用に多数の“捨てアカウント”を用意し、悪意を持って執拗に攻撃を繰り返しているのです。
このような投稿は、良識を保った他のユーザーから批判を集めることもありますが、それらを顧みずひたすら炎上投稿を繰り返す人々の心理的要因をさらに深掘りすると、“負の感情スパイラル”に陥っている可能性が考えられます。
“負の感情スパイラル”の第1段階として、自分は正当な利益を得ていない、自分の能力は過小評価されている、自分以外が優遇されている、自分は不当に差別・抑圧されているといった過剰な被害者意識を持ってしまうことが発端となります。
また、自分自身は全く損をしていなくても、他人が得をするのは許せない、他人の幸せは許せないが、他人の不幸は嬉々として受け入れて優越感に浸るという「僻み、妬みの思考」から抜け出せなくなっている場合もあります。
なぜ、芸能人に対して誹謗中傷を行うのか
自分は不利益を被っていると思い込む
在京テレビ局関連会社、一般企業広報、人材教育コンサル会社を経てネットコンテンツ管理業務に従事。これまで数多くの問題投稿に向き合ってきた経験とメディアやコンサル業界で培った見識を活かし、ネットリテラシー向上を目的とした講演や評論活動を行う。一般社会人や中高生、教育関係者、芸能関係者等に特化した独自の研修プログラムを提供している。温泉ソムリエ、温泉入浴指導員、アンガーマネジメントファシリテーター、国内A級ライセンス資格を所有。
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