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スピードワゴン小沢の“独特な死生観”「死んだら、全員俺のことを忘れてほしい」

漫画、映画、音楽、麻雀、お笑い……あらゆるジャンルに精通し、「収録はジャズなんだから」といった独特なフレーズで見る者を魅了するスピードワゴンの小沢一敬さん。 前編では、今年5月に開催された『THE SECOND~漫才トーナメント』決勝を「あんまり覚えてない」と苦笑し、「ラ・ママ新人コント大会」を「あこがれを確実に下回る」と語るなど、赤裸々なフレーズが次々と飛び出した。 続いて後編では、THE SECOND決勝ネタの誕生秘話、膨大な作品を享受する生活ぶり、「お笑い評論家にはならない」と語る理由、仕事を「遊び」とする思考、自分の死後についてなど、さらに“小沢節”がさく裂する。
小沢一敬

スピードワゴンの小沢一敬さん

5年後に怯えてる時間、マジ無駄

――前編で「先のことをあんまり考えない」とおっしゃっていましたが、例えば将来的に貯金がなくなるみたいな不安もないんですか? 小沢一敬(以下、小沢):みんな言うのよ、5年後の自分とかさ。5年後まで地球があるのかもわかんないし、生きてるかどうかもわかんないのに。「5年後に怯えてる時間、マジ無駄じゃない?」って思っちゃう。 将来、貯金なかったらどうしようって、「そのこと考えてる間に漫画とかゲームとか映画でも1個楽しめるんじゃない?」とか思ってバカらしいんだよね。

不自然がとにかく嫌いなのよ

――いろんなものを観たり聴いたりするなかで、作品としてアウトプットしたいという欲求も湧かない? 小沢:まったくない。まぁでも、「これでネタ作れないかな」ってときはあるよ。それこそ、『THE SECOND』の決勝で「四季折々の恋」って漫才をやったけど、あれ『ラ・ラ・ランド』って映画観て作ったんだもん。 あの映画って季節ごとに恋愛して物語が進んでいくんだけど、それ観て「季節が過ぎていくことによって2人の関係が変わる漫才作れないかな」と思って。THE SECONDのときは6分だったけど、最初作ったときはもうちょっと季節ごとの恋を長めにやってたから12、3分あったの。 だから、面白い映画とか観たら「これを漫才でやったらどうなるのかな?」とは思う。でも、別に漫才作るために本読もうとか、漫才作るために映画観ようっていうのは、ムチャクチャ品がないと思って嫌だね。たまたま観て、「あ、これやりたい」は自然だと思うんだけど、不自然がとにかく嫌いなのよ。
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家には「5000冊の本」がある
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フリーランスの編集/ライター。元バンドマン、放送作家くずれ。エンタメ全般が好き。特にお笑い芸人をリスペクトしている。個人サイト「不滅のライティング・ブルース」更新中
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