お金

初代プリウスは何が優秀だったのか? 無料修理サービス終了の今、考える

さよならになるかもしれない初代プリウス

初代プリウス前期型(NHW10)

 腕時計投資家の斉藤由貴生です。  私は、モノを見極める際、「歴史的に重要な製品かどうか」ということを考えるのですが、それをクルマに当てはめた場合、初代プリウスはまさに「歴史的に重要」だと思います。  私は以前から初代プリウスを評価しており、2008年には実際に購入。ただ、その際は「実用車」として普段遣いしていたため、4年5万キロ乗って売却しています。  そのため、私は近頃、初代プリウスの中古車をもう一度購入し、コレクションようとかと考えていました。しかし、そう思っていた最中、Xで「初代プリウスのサービスキャンペーン(無料修理)終了」という話題が飛び込んできたのです。
  実は、初代プリウス(NHW10)の走行用バッテリーは、「永久保証」とネットでは言われており、走行用バッテリーがだめになると、これまで無償で交換してもらうことができたのです。  しかし、今回、サービスキャンペーンを終了する理由に記載されていたのは、「部品供給が困難」ということ。その書き方から推測すると、今後は有償でも初代プリウス(NHW10)の走行用バッテリー交換が正規ディーラーではできなくなる可能性があります。そうなると、歴史的価値があるといえる初代プリウス(NHW10)は、今後、クルマとしての機能を果たせなくなるかもしれません。  ということで今回は、「初代プリウスの今後」、つまり初代プリウスは生き残れるのか否かということを考えてみたいと思います。

初代プリウスといっても大きく2つある

 まずは、初代プリウスについて必要となる前提知識を大まかに説明したいと思います。初代プリウスには、前期と後期が存在。形は似ている両者でも、実はメカニズム的には大きく異なるという側面があります。  前期はNHW10、後期はNHW11と型式が異なるのですが、通常の“クルマの前期型後期型”とは比べ物にならないほど、中身が大きく違うのです。プリウスは「世界初の量産ハイブリッドカー」であるわけですから、後期型になるタイミングで大きなアップデートが施されたのでしょう。  ネットで有名な「初代プリウスの走行用バッテリーは永久保証」というのも、実はNHW10にのみ適応で、NHW11は対象外とされています。  また、NHW10はバッテリー交換の頻度が高いのに対し、NHW11はバッテリー交換頻度がだいぶ低いともいわれています。実際、私がNHW10に乗っていた際、5万4000キロ時点でバッテリーが駄目になっており交換。また、10万キロぐらいでももう一度交換したため、ざっくり5万キロに1度は走行用バッテリーの交換が必要といった感じがありました。それに対して、NHW11のほうは10万キロぐらいまでバッテリーが持つといった噂があります。私が、以前勤めていた会社にもNHW11があったのですが、8万キロ時点でバッテリーに対する異常はありませんでした。また、自分のNHW10と比べても、NHW11は格段に良くなっており、事実上の2世代目プリウスという感覚があったぐらいです。  しかしながら、歴史的に重要なのはどちらか、というと私はNHW10だと思います。

筆者が以前所有していた初代プリウス(NHW10)

次のページ
電動アシスト自転車の事例
1
2
3
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ