私を「売れ残りおばさん」とSNSで叩いた“誹謗中傷の送り主”と会ってみた。彼の主張に正義はあるのか
インフルエンサーにとってネットでの誹謗中傷はつきものだ。とくにX(Twitter)は、基本的には何を投稿しても「クソリプ」と呼ばれる説教まがいの侮辱に晒されることになる。元風俗嬢、元看護士の肩書を持つエッセイストでライターのyuzukaさん(@yuzuka_tecpizza)のもとには、ネットで大量の誹謗中傷や脅迫が送られてくるという。
今回、yuzukaさんはそんな誹謗中傷の嫌がらせの送り主に連絡を取ってみて、なぜネットでメッセージを発信し、誹謗中傷をするのか?を本人に直撃した。最後には誹謗中傷対策やインターネット問題に詳しい弁護士にも話を聞いた。その取材の模様をお届けする(以下、yuzuka寄稿)。
ある日、私がポストした「未成年の少女に手を出す成人男性はろくでもない」という内容のツイートが拡散され、徐々に炎上気味になっていった。その中に、やたらと攻撃性の高い書き込みを見つけた。後に取材することになる、Iさんが書き込んだものだった。
「生き遅れ風俗おばさん」「低賃金で整形しまくっている」「売れ残りおばさん」「未婚のくせに」「風俗嬢の脱税犯」という投稿だった。
そもそも私はとうに結婚して、息子もいて、それを公表しているが、Iさんはそれを知らないまま、完全な決めつけで誹謗中傷していることが分かる。いつもならスルーしているだろうが、その日はどうしても気になって、IさんにDMを送信することにした。
「開示請求をしようと思っていました。だけどもしも貴方が直接話してくださるのならこれ以上ことは荒立てません。どうしますか?」
答えは、「個人情報を隠せるのなら直接話してもいい」だった。後日、Iさんとオンラインでインタビューすることになった(Iさんは男性だった)。
彼の過去の投稿をさかのぼってみると、強い反応を示していたのが、「淫行条例」についての話題だった。淫行条例とは「青少年保護育成条例」のことで、東京都の「東京都青少年の健全な育成に関する条例」には、<何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行つてはならない>という規定があり、違反した場合の罰則は、2年以下の懲役か100万円以下の罰金となる。
まずは、その話題をIさんに振ってみると、さまざまなデータを元にその法律がいかに“必要でないか”を早口で説明するのだ。
「未成年と成人の恋愛は、当事者間の問題です。実際、長野県の高校で『淫行条例に賛成ですか、反対ですか』というアンケートをとると、半数以上が反対だったんです。そこにも、当事者は反対しているという証拠がある。淫行条例について書かれている本(法整備に関する書籍)も読みました。18歳以下は未熟だから守るべきだと書いてあったが、18歳以下が未熟というエビデンスが全くなく、すべて感情論でしかない」
「生き遅れ風俗おばさん」という投稿
「淫行条例」についての話題に強い反応
エッセイスト。精神科・美容外科の元看護師でもある。著書に『埋まらないよ、そんな男じゃ。モノクロな世界は「誰かのための人生」を終わらせることで動きだす。』『君なら、越えられる。涙が止まらない、こんなどうしようもない夜も』など。Twitter:@yuzuka_tecpizza
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